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「コンビニおでんが9月に売れる」は都市伝説? 「売れる」のではなく「売っていた」?

お盆過ぎから各社が本格的に展開するコンビニおでん。

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記事内でも、おでん販売の最盛期は9月~11月とある。

以前からたびたび言われてきたことなのだが、不思議に思われたことはないだろうか。

「残暑厳しい9月、10月におでんなんか売れるのか?」

販売数の年間ピークを迎えるのは、たしかに10月、11月だ。しかし、売れたワケではない。「売った」のだ。

「コイツは、何言ってるの?」そう思われるだろう。詳しく説明していこう。

人が涼しいと感じる始める時期が、9月から11月。これは、外気温と着ている衣服の状態でそう感じるのだと推測している。

「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉どおり、9月の彼岸が過ぎると気温が下がってくる。特にこの時期は、最低気温と最高気温の差が生じる。昼間はまだ暑くて半袖でいると、夕方以降急に肌寒く感じるといった経験は誰にでもあるだろう。すると、温かいものを欲するのは必然と言える。

しかし、それだけでアツアツのおでんを買うということまで嗜好が進むわけではない。コンビニ各社は、その時期に合わせて“おでんセール”を実施しているのだ。

読者の皆さんも一度は“おでん70円均一セール実施中”といったPOPを見たことがあるはずだ。9月から11月の3ヵ月間頻繁に行われるおでんセールが、販売数を押し上げることになる。故に、年間ピークがこの時期になるのだ。

先ほど書いた「売れた」のではなく「売った」というのは、こういうことだ。

不思議なのは、この作られた販売ピークを本物の販売ピークだと本部側は考えているフシがある。

同じく気温連動型販売商品であるアイスや冷やし麺は、気温のピークと連動しているのに、おでんに関しては、気温連動していないことに疑問を持っていないのだ。

現場に近い者は問題視しているが、スタート当初から繰り返されるセールが原因で、本来最盛期でなければならない真冬に、通常価格。70円均一セールのやり過ぎで、お客さんの商品に対する評価価格と定価との間に差が生じ、通常価格では売れなくなるという状況だ(個店により差はあるが)。挙句の果てに、最も寒くなる1月、2月には販売を中止してしまう店舗もあるぐらいだ(関東圏内の話だが)。

セール施策が難しいことは理解している。

売るための勢いづけにやる「セール」。ピークを最大化するためにやる「セール」。在庫処分のためやる「セール」。大きく3つパターンがある。

おでんは、ピークに向けて勢いをつけるための「お試しセール」と言える。お試しセールというのは、認知を上げるという意味合いもある。未だコンビニおでんの認知が低いとでも言うのだろうか。

試しに、現在行なっているセールのタイミングを9月~11月から12月~2月にズラすことを勧める。おでんの年間販売数は確実に伸長するはずだ。

しかし、無理だろう。会社の多くは、前年比を指針にしている。一度、9月から始めたセールを途中でヤメて、その期間の前年比が割り込むのは、コンビニ本部にとって、その後の売上伸長よりも重大な問題であるのだから。

(川乃 もりや)

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