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「将来なくなる仕事ランキング」は、将来本当にそうなるのか

最近よく見かけるもので、「将来なくなる仕事ランキング」のような記事があります。つい先日も目にしたものは、「機械が奪う職業・仕事ランキング」というものでしたが、その上位10位は以下のようなものでした。

1位 小売店販売員
2位 会計士
3位 一般事務員
4位 セールスマン
5位 一般秘書
6位 飲食カウンター接客係
7位 商店レジ打ち係や切符販売員
8位 箱詰めや積み下ろしなどの作業員
9位 帳簿係など金融取引記録保全員
10位 大型トラック・ローリー車の運転手

会計士のような専門職が入っていることが、ちまたでは話題になっていたようですが、記事には「会計士の仕事の8割は機械に代わる作業かもしれない」というコメントがあり、会計士の重要な仕事である決算数値の誤りの発見まで、今後、人工知能を用いた機械が取って代わる可能性はかなり高いだろうとありました。

それ以外に挙げられている職種も、確かに機械化しやすい部分が含まれていることは確かなので、それはそうなのかもしれないとは思います。

ただ、これが本当にその通りになるのかどうか、私自身はやっぱり先のことはわからないと思っています。

あくまでそれは、今のままの役割、枠組みが前提であり、それがこれからどうなっていくかわからないですし、それぞれの当事者も、今の場所に立ち止っている訳ではありません。仮に機械化が進んで行ったとしても、それに合わせて人の役割は変わっていきます。

例えば、最近のスーパーのレジでは、すべてバーコード読み取りになり、昔のレジ打ちでは重要だった、数字を手打ちする能力は、今は必要ありません。

代金を機械に入れれば、お釣りも自動で出てくるものが大半になり、お金の計算もいりません。

セルフレジを導入しているところもありますから、技術的にはレジ係がいなくても対応できるところまで来ています。

それでもレジ係がなくならないのは、やはり人の役割の中心が変わってきているからだと思います。人間同士が接する言葉を通じた接客、異なる商品に合わせた人手を介した取り扱い、相手の状況に合わせた対応など、機械ではできないことがたくさんあります。

小売店の販売員でも一般事務員でも、それは同じです。機械は決められたことを繰り返し対応するのは得意ですが、異なる条件にも対応させるには、それぞれをパターンにはめ込んで、定型化しなければなりません。

機械が人間と同等の領域に行くまでには、まだまだ時間がかかるでしょう。

また、当事者である人間も、環境変化に合わせて変わっていこうとします。

話は少しずれますが、大手企業である富士フイルム、それまで主力事業だった写真フィルムの製造技術を活かして、医薬品や化粧品の製造分野に事業を移行して行きました。確実に見えた将来の環境変化に対して、自らが変わっていったということです。

さらに、古くからの価値を守っている人たちもいます。伝統工芸の職人さんなどは、大変に忙しい人もいると聞きます。大きな市場ではないが、それを必要とする人が確実に存在し、簡単には機械化できない世界があるということです。

この手のランキングは、危機感をあおる話題作りの感もあり、これからも折りに触れて出てくるのでしょうが、あまり一喜一憂をすることはないように思います。

もちろん危機感を持っておく必要はあるでしょうが、環境変化に合わせて、人は必ず変わっていけると思います。

(ユニティ・サポート 小笠原隆夫)

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