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卵焼きに「だし」を入れる必要はない?

卵焼きといえば、家庭料理の定番です。食卓だけでなく、お弁当に入れる方も多いのではないでしょうか? 卵焼きを作るときに、基本的には砂糖と醤油、塩などで味付けをしますが、中にはだし汁を入れて作る方もいると思います。しかし、実はプロの日本料理人はだし汁ではなく「水」を入れて卵焼きを作るそうです。

■水を入れたほうがおいしい?

卵焼きはもっともシンプルな日本料理のひとつです。日本料理は、素材そのものの味を楽しむという考え方に基づいて調理をされます。そのため、基本的には必要最低限のものしか加えません。

そこで日本料理の職人は、卵本来の風味を生かすために、だし汁ではなく水を加えて作るそうです。そうすることで卵自体の味が引き立ちます。また、水を加えて少し卵を緩めることで、やわらかな焼き上がりにもなります。そして、料理において水は、食材の味や風味を舌に伝える働きを持ちます。味を損なわずに確実に味覚に伝えられるよう、絶妙な水分をコントロールして味を作り上げるのです。

■卵焼きに「だし」を入れる理由

それでは、どうして卵焼きにだし汁を入れる作り方が広まっているのでしょうか? そこには、流通や保存の観点があります。

惣菜などの既製品としてお店で売る場合やお弁当に入れる場合など、どうしても卵焼きを作ってから食べるまでに時間があいてしまうことがあります。そうすると、卵が本来持っている風味が失われてしまい、味を損なってしまうというのです。そこで、時間がたってもしっかりと味を感じておいしく食べられるように、だし汁を加えるようになったそうです。

また「だし巻き卵」という料理が存在するように、だし汁を加える卵料理にも歴史があります。しかし、厳密には「卵焼き」と「だし巻き卵」は別の料理なのです。なかなか意識しにくいところですが、卵のとき方から調理法が異なり、味わいも異なります。そのため厳格な日本料理店では、和食の哲学にのっとった、だし汁を加えない「卵焼き」を提供しています。

家庭で料理をする際、「卵焼き」と「だし巻き卵」の違いとそのあり方を理解していれば、普段の食卓にまたひとつ奥ゆきが生まれるかもしれませんね。

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「林先生が驚く初耳学!」

2015年11月1日(日)よる10時00分~10時54分
MBS - TBS系全国ネット
司会:林修、大政絢
ゲスト:伊藤淳史、澤部佑(ハライチ)、千原ジュニア、平岡祐太、吉本実憂

次回の放送内容:今回は、林先生の“天敵”さかなクンをはじめ、伊藤淳史、出川哲朗らが参戦する。さかなクンは「海草」に関する問題で11勝目の“初耳学”を狙うほか、伊藤淳史は最近知って驚いたという「刑事」にまつわる問題を、また、出川哲朗は出身地・横浜の名物弁当のとっておきの秘密を出題。はたして、林先生に「知らなかった」と言わせることはできるのか?

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