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モッツァレラチーズと日本人~地方から発信する食文化~

お豆腐のように真っ白で、さっぱりとした味。加熱するとよ~く伸びてとろりとおいしいモッツァレラチーズ。もとは、南イタリア・カンパーニャ州の水牛乳製フレッシュチーズですが、今では牛乳製のものがスーパーに並ぶ姿もめずらしくありません。そのモッツァレラと日本人との係わり、そして今注目したい日本の農場製モッツァレラから、農場による地域食文化づくりまでをご紹介します。

■イタメシブームとともに日本へやってきたモッツァレラチーズ

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モッツァレラチーズと言えば、水に浸かって真っ白で、丸くつるんとした姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。日本に登場し始めたのは、1980年代のバブル全盛“イタメシブーム”のころ。特にフレッシュモッツァレラが台頭してきた時期です。

今でこそスーパーの棚に大手国産メーカー商品も並ぶモッツァレラですが、当時は普及タイプの国産物もなく、イタリア製の輸入物にレストランでお目にかかれる程度。一般家庭の食卓にのぼることはほとんどありませんでした。

■モッツァレラチーズが日本人に愛される理由とは

1990年代には国内の大手乳業メーカーがモッツァレラ作りに参入し始め、日本でもお手ごろ価格で身近な場所で購入できるようになりました。2000年ごろには、石窯で焼く本格ナポリピッツァが人気になると、使用されているモッツァレラチーズの知名度と消費量がグンとアップ。現在では、国産ナチュラルチーズの生産量において、ゴーダ、チェダー、カマンベールに次ぐ4番目の人気を誇っています。

モッツァレラの人気と普及は、こうしたイタリアンやピッツァブームをきっかけとしたものでしたが、その後の定着は、やはり日本人の味覚にも合っていたことが考えられます。まるで“牛乳から生まれた豆腐”とも言える見た目、味、製法なので、お醤油や鰹節、大葉、味噌などの食材との相性も良いため、和食にも取り入れやすく、クセのない味はチーズが苦手な人でも食べやすいものです。

■日本の農場が作るモッツァレラチーズに熱い視線

日本の食卓への普及に貢献したのは、大手メーカー製国産モッツァレラです。いっぽうで大量生産のものは、味や食感の面からイタリア産にはまだ及ばないのも否めないところ。ミルク感とジューシーさには乏しく、食感も固いため、成長途中なのを感じます。

そこで注目したいのが、小規模農場が手作りしているもの。近年では、チーズの国際コンクールにおいて上位入賞しているものもあり、急速に品質が向上しています。日本各地で増えてきている、農場チーズの作り手は、それぞれが信念を持ってチーズ作りに取り組んでおり、本場フランスやイタリアのチーズ生産者の方々を彷彿とさせます。その一例としてご紹介したいのが、軽井沢からほど近い、長野県東御市に位置する永井農場さん

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商品開発を推進する日本の農場の取り組みに注目(写真提供:永井農場)

特長はまず、循環型農業を完成させている点。酪農によるチーズ作りだけではなく、酪農、水田等の複合経営により、米作りによる稲藁(いなわら)→牛のエサ→牛糞を藁とともに熟成させて、堆肥→米作り・・・というサイクルを実現させています。これは自然の理にかなった、無駄のないスタイル。化学肥料を使わず、質の向上に取り組んでいるところも信頼できます。

また、第一次産業としての農業だけに留まらず、モッツァレラをはじめとしたチーズ、ジェラートなど、自家製農産物を使ったさまざまな加工食品を発表し、その販売店舗も展開。複合経営することにより土地本来の豊かさを引き出し、地域ブランド、そして食文化までも生み出しています。

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永井農場で働く女性たち。いきいきした表情が印象的です(写真提供:永井農場)

そして写真からもうかがえるのが、農場の人たちがいきいきとしていること。ここで作られるものが、信頼に足ることが伝わってきます。

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写真左から時計回りに、飲むヨーグルト(500ml)、ヨーグルト、飲むヨーグルト(200ml)、熟成モッツァレラチーズ、フレッシュモッツァレラチーズ

永井農場さんは、モッツァレラチーズやヨーグルトといった乳製品だけでなく、お米、お餅、果物など、さまざまな商品を展開しています。産地の恵みを直送してくれるショッピングサイトを利用すると届く牛の保冷バッグは、しっかりデザインされているので、お弁当の持ち運びなどにも活用できそう。パッケージには可憐な小花があしらわれていて可愛いです。贈り物にも、よさそうですね。

■ミルクの芳醇さを感じさせながら、さらりとした上質な味わい

いただく前に、まずは原材料チェック。見事にシンプルです。ヨーグルト類は「生乳、ビート糖」、モッツァレラは「生乳、食塩」。余計なものは入っていません。

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素材の良さを存分に味わえる永井農場のモッツァレラチーズ。イタリア産のものとはまた異なる、クオリティの高さを感じます

良質の飼料で育ち、快適な環境で過ごした健康な牛のミルクを使い、丁寧に作られたモッツァレラ。食べてみると、さっぱりとした味。舌触りは、ほどよくクリーミー。ミルクの香りが鼻から抜け、後味はすっきりと心地良い。イタリア産とはまた違った食感ですが、この後味の良さと体に馴染む感じは、良いミルクならでは。

食べ方は、まずはひとくちカットしてそのまま。また塩・胡椒をふったり、トマトやフルーツと合わせたり、パスタに加えたり、ピザやグラタンにトッピングしたり・・・。ほかにも薄切りをしゃぶしゃぶに、丸ごと味噌漬けにするのもおいしいです。

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パスタの仕上げに角切りモッツァレラを加え、少しとろけたところを味わう。こんな食べ方も、おすすめです

今回ご紹介した永井農場さんは、自分たちができることを見つめて、豊かな地域創りに取り組む農場のほんの一例。皆さんの住んでいる土地にも、そんな農場があるかもしれません。お休みの日の行楽に農場訪問、なんていうのも楽しいですよ。

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