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桃の節句、ひな祭りとひなめぐり

女の子のすこやかな成長を願って行われる日本の伝統行事・ひな祭り。ひな人形や桃の花を飾り、菱餅やひなあられ、そしてお祝いの料理をいただく…スタイルは各地の慣習によりさまざまですが、現在はひな人形を飾り付け、町おこしイベントとして開催するところも増えています。桃の節句は3月3日ですが、3月末まで開催しているイベントも多いので、早春の旅行にもぴったりです。

■一度は見てみたい名建築とおひなさま

毎年多くの人々が訪れるのが目黒雅叙園の「百段雛まつり」。結婚式場としておなじみですが、会場は歴史ある建築物としても知られる百段階段(東京都指定有形文化財)。今年は、九州ひな紀行と銘打ち、筑豊(福岡)・飯塚の炭鉱王の豪邸に飾られていたひな人形をはじめ、九州各地の名家に伝わる由緒あるおひなさまを展示します。館内のレストランでランチとともに楽しめば優雅な1日となることでしょう。

■いますぐ行きたい!関東近郊のひな祭り

千葉の勝浦では毎年恒例「かつうらビッグひな祭り」を開催中(3月3日まで)。市内各所に2万5000体を超すひな人形が飾られ、街はひな祭り一色に。メイン会場の遠見岬神社には60段ある石段一面に1200体ものひな人形が並びます。その様子はまさに壮観。夕刻にはライトアップも行われます。

温暖な温泉地がお望みなら伊豆・稲取温泉へ。「雛のつるし飾り祭り」(3月31日まで、雛の館ほか)を開催中。この土地には、かつて江戸時代後期から、各家庭で女の子の成長を願う手作りの「つるし飾り」を飾る風習があり、平成に復活させたものです。詳細は稲取温泉観光協会へ。

ひな人形・五月人形生産日本一の埼玉県でも各地でイベントを開催しています。さいたま市岩槻区では「人形のまち岩槻 まちかど雛めぐり」(3月16日まで、岩槻駅前周辺商店街)、「飯能ひな飾り」(3月9日まで、飯能市内各所)や鴻巣びっくりひな祭り(3月8日まで、鴻巣市役所ほか)など盛りだくさん。県内の観光情報はちょこたび埼玉観光情報局でチェックできます。

茨城県でぜひ訪ねたいのが「真壁のひなまつり」(3月3日まで、桜川市真壁町)。見世蔵、土蔵、門などが建ち並ぶ風情ある町は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、地区内の商店などにひな人形やつるしびな、地元特産のみかげ石で作ったひな人形などが飾られます。

■遠出しても鑑賞したいひな祭り

京都でも下鴨神社の流しびな、上賀茂神社、市比売神社(3月3日)などで厳かな神事や、あでやかなお祭りが行われます。京都市観光協会など京都関係のタイムラインでチェックを。

東北では、かつて北前船寄港地として栄えた山形・庄内エリアへ。由緒あるひな人形が残る土地でもあります。旧暦の3月3日でお祝いするこの地では「酒田雛街道 ~湊・酒田の雛めぐり~」(4月3日まで、酒田市内観光施設、商店街ほか)が開催され、4月でもひな祭りを楽しむことができます。酒田市役所はタイムラインカバー写真も見事なつるしびなです。酒田で必見なのは「本間家のおひなさま」(本間家旧本邸)。江戸時代から豪商として栄えた本間家に伝わる豪華絢爛なおひなさまは息をのむ美しさです。東北の観光情報は、 東北観光復興ポータルをいいね!しておくと便利です。

地域で開催されるひな祭りはメイン会場とサブ会場があり、徒歩などで周遊して町めぐりが楽しめるのも魅力。寒さもピークを越えつつありますし、華やかな伝統行事を楽しんでみませんか。
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