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元・宝塚雪組トップスターに訊く「本番に強くなるには?」

元宝塚歌劇団雪組トップスター・麻実れいとフジテレビ・笠井アナウンサー(photo:岩村美佳)

  • 麻実れい・・・1968年宝塚音楽学校入学。1970年、宝塚歌劇団入団。『ハロー・タカラヅカ』 で初舞台を踏む。雪組男役トップスターとして活躍し、1985年、宝塚歌劇団を退団。以降、ミュージカル、古典、翻訳劇、など多くの話題作に出演。

「練習では上手くできるのに、本番で力を発揮できない」、そう感じている方も多いのではないでしょうか。今回、宝塚の大ファンで知られるフジテレビの笠井アナウンサーが数多くの舞台で活躍されている元宝塚トップスター・麻実れいさんに本番に強くなるコツを訊きました。


笠井:麻実さんが出演されている舞台などを拝見すると、本番に強い方なんだなという印象があります。なにか秘訣みたいなものはあるんですか?

麻実:ありがとうございます。そうですね、もしそう見えるのであれば普段から稽古をしっかりと積んでいるからですかね。

笠井:やはり、普段の稽古が大切なんですね。その他に麻実さんが意識しているキーワードみたいなものはありますか?

麻実:そうですね、キーワードとは違うかもしれませんが、私自身、舞台で演技するにあたっては自分の演じる役がどんなキャラクターなのかしっかり考え、役割を理解して演じています。そうでないと、とっても不安なまま舞台をすることになってしまいますから。

笠井:なるほど。それはつまり、努力を重ねるということですか?

麻実:いえ、努力というよりもとにかく稽古場は素っ裸になって舞台を作りあげられる場なので、そこでとことんと自分自身と戦うという感じですかね。

笠井:初舞台のときはどうだったんですか? 

麻実:そうですね、初舞台では私、白塗りの化粧をしていたんですよ。そうしたら上の人から呼ばれて「もうちょっとどうにかしなさい。昨日と今日でお化粧の塗りがまったく違うじゃない」と怒られてしまったんです(笑)。本当は上級生にお化粧の仕方を教えてくださる方がいればよかったんですけどね。

笠井:そんなことがあったんですね。

麻実:はい。それから初舞台のときって人間じゃない役が多いんですよね。そのときは筒みたいなのに入って役を演じていたんですけれど、衣装の一部を舞台に置き忘れちゃって舞台袖に引っ込んだら、舞台裏のスタッフたちが「俺たちは取りにいけないからおまえ取ってこいよ!」って。それでまた出て行って、何とか引っ張って舞台袖に戻りました。そうしたらまた上の人から呼ばれて、また怒られてしましました。

笠井:ハプニングありの初舞台だったんですね・・・意外と麻実さんは結構怒られ侍だったわけですね。

■舞台での失敗

笠井:宝塚時代で一番大きな失敗はどんなのか覚えてますか?

麻実:出トチリ(舞台に出るタイミングを間違えること)したことはありますね。たしかトップに就任して初めてのお披露目公演のときに。

笠井:ありますね、って今の宝塚ではそんなシーンまずないですよ(笑)。お披露目公演ということはトップスターのときに出トチってるんですか !?

麻実:そうなんですよ。私が舞台に出ていったら、向こう側で「早い!早い!」って言ってるから、「あ、早い」って気がついて。

笠井:それ、初日じゃないですよね? ということは、何度も見ているお客さんもいるからすぐわかっちゃいますよね。

麻実:そうなんですよ(笑)。それから新人公演の日と私たちの一般講演が一緒だった日の舞台で、歌詞を忘れてしまったことがありました。歌詞は即興では作れないじゃないですか。しょうがないから「チロリロ~チロリロ~」って歌ったら、舞台上の生徒が喜んじゃって喜んじゃって。新人公演の主役の子に、「これで気楽に新人公演できます。ありがとうございました!」って言われてしまいました(笑)。

笠井:いやあ、そんな失敗談があったとは。では、そんな麻実さんに失敗から立ち直るためのアドバイスをぜひとも聞かせてください。

麻実:そうね、やっぱり忘れることが大事ですかね。もちろん、ちゃんと反省はしますけれど、やってしまったわけですからしょうがないじゃないですか。そういうことをいつまでも引きずらないで気持ちを切り替えることが大切だと思います。


(photo:岩村美佳)


■本番前にすること

笠井:今回のインタビューのテーマは「本番に強くなるには?」なんですが、麻実さんは舞台で本番をむかえるにあたり、大事にされていることはありますか?

麻実:はい。私は、いわゆる「舞台の神様」って絶対いると思っているんです。だから、公演を行うときは必ず各劇場の舞台の神様にご挨拶をします。

笠井:なるほど。やはり、本番に向けて気持ちを集中するという意味でも大切そうですね。Facebook naviの読者は宝塚に詳しくない人たちもたくさんいます。そういう方々に舞台のことも含めて何かお伝えしたいことはありますか?

麻実:最近はだいぶ変わってきてはいるんですけれども、舞台のお客様は女性の方ばっかりだったんです。男性はお忙しくてなかなか足を運んでいただけないかもしれませんけど、お席に座っていただいたら、いろんなことを感じていただける素敵な空間がそこには待っていると思います。老若男女すべての層の方にぜひ舞台に見に来ていただきたいですね。

笠井:ありがとうございます。最後に、何か夢や目標に向かってがんばっている人に対して麻実さんから一言お願いします。

麻実:そうですね、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、人間国宝の竹本住大夫さんという方の話なのですが、「なほになほなほ」というのが彼の座右の銘だそうなんです。ずーっと続くという意味だそうです。一つのものを作り上げるためにも道を歩んでいる方はみんなそうだと思うんですけれど、「なほになほなほ」。終わりはない、ずっと一つひとつ真摯に、真面目に歩いていくということが一番じゃないかなと思います。

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「すっぴん女子会もっとジェンヌモード」(略称:モトジェン)
http://m-jenne.jp


「モトジェン」とは、元タカラジェンヌたちがナビゲーターとなり、美容、料理、グルメ、ファッション、旅行など、様々なジャンルの最新情報を、仕事も自分磨きも怠らない輝く女子に向けて発信する情報サイトです。

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