兵庫県
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【 医療者・親以外は、小児病棟に入れないのか? 】

小児がん治療と感染症について、患者家族と医療者が分かり合えれば、もっと良い医療ができるのに、、、とずっと思っています。
感染症には、外部から持ち込まれる感染(市中感染)と、体内の菌からの感染(日和見感染)に分けられますが、前者について意見を述べさせていただきます。

~ 外部から持ち込まれる感染について ~
インフルエンザ、RSウイルス、ノロウイルスなどです。これらの感染の原因は、人との接触です。(一部蚊などが媒介するものもあります)
人の鼻水や咳、そして手からうつります。
となると、極論、人と接さなければ、外部から感染することはありません。
医師、看護師を含め、人と接さなければ外部からの感染は防げます。
~【感染防御MAX】病室には患児以外の人は入らない~

あとは、確率の問題になってきます。
・接する人が多いほど、感染の確率は上がります。
・感染症状(発熱、咳、鼻水、下痢など)のある人と接すれば、感染の確率は上がります。
・子どもは大人に比べ、感染症にかかっている確率は高いです。
・世の中で感染症が流行っていれば(例えば冬のインフルエンザなど)、感染の確率は上がります。
・手洗い、うがい、マスクをすれば、感染の確率は下がります。
・面会者の健康チェック(体温チェック、ワクチン接種歴チェックなど)をすれば、感染の確率は下がります。

人と接している限り、感染のリスクを0にすることはできません。

その一番の理由は、ウイルスには潜伏期間があるからです。
例えばインフルエンザは発症する1日前から、RSウイルスは発症する4,5日前から、水疱瘡は10日から21日前から感染力がある、つまり伝染する可能性があると言われています。一方、ノロウイルスは症状が治まってからも便から排出されているので、治癒後1~3週間は感染力があります。
つまり、面会者をどれだけ厳しくチェックしても、外部からの感染症のリスクを0にすることはできません。

外部からの感染の確率を下げる唯一の方法は、手洗い、うがい、マスク、予防接種です。ノロウイルスは糞口感染なので、石鹸でしっかりと手洗いをした手からは、うつりません。
予防接種で水疱瘡の抗体がついている人からは、水疱瘡は100%うつりません。
感染経路を知ることも大切です。例えば、インフルエンザは1m以内の飛沫感染と言われています。つまり、1m以上離れていれば、インフルエンザがうつる確率はかなり下がります。満員電車などの人混みを避けることで、感染する確率を下げることができます。

このような現実の中、現場でどのような方針にするのか。
これは現場の人々、医療者と患者家族が決めることになると思います。

医療者側としては、患者・家族それぞれの価値観によって規則を変えることができないので、一律の方針を決めます。例えば「両親以外の面会は禁止」「医療者以外の病棟内立ち入り禁止」などです。
接する人を少なくすることにより、感染症のリスクを減らすという方針です。
患者・家族からは、「両親がいいのに、なぜ祖父母やきょうだい、院内学級の教師、ボランティアはだめなんですか?手洗い、うがいなど予防行為をしっかりしてもだめなんですか? 」「他科の受診の待ち合いで、隣の人が咳をしていた。面会制限を厳しく言われているのに納得いかない」などの意見をたくさん聞いてきました。

「できるだけ外泊をしたい。」という家族もいれば「感染症のリスクを少しでも下げるため、治療が終わるまで、家には帰りません。ずっと個室にいさせて下さい。」という家族もいらっしゃいます。

家族の価値観を尊重したうえで、可能な限りの感染対策をする、ということが理想と思います。

しかし、病院は団体生活です。入院中の患者さんを管理しているのは医療者です。
現場の医療者にルールを決める責任と権利があるとは思うのですが、ある程度の全国統一ガイドラインはあった方がいいと思います。その方が、医療者も助かるのではないでしょうか。
「個室の病室または面談室におけるきょうだいの面会は可能。ただし①体温37.5度以下、咳、鼻水、下痢などの感染症状がないこと②手洗い、うがい、マスクをすること③きょうだいが病棟内を移動する際は、他の患者とは1m以上離れて歩くこと」
「感染対策について熟知していれば、医療者以外にも、院内学級の教師、ボランティア、などの面会は可能」
とか、いかがでしょうか?

~ 追加 ~
ノロウイルスやO157などの食中毒は、食事から感染します。食事制限についても、病院によって様々なので、全国統一ガイドラインがあった方がいいと思います
「食べ物の温め直し厳禁」「冷ご飯の温め直し厳禁」「持ち込み食は基本禁止。インスタント食品は可。調理後30分以内のしっかり火を通した料理は医療者の許可が得られれば可」など、いかがでしょうか。

~ 最後に ~
病院にとって一番困るのは、患者さんに訴えられることだと思います。リスク回避の観点から物事をすすめると、感染症対策は厳しくなる一方だと思います。裁判は誰も得をしません。まず医療者が安心して患者さんのことを考えられるシステム(契約?)が必要です。そのうえで、責任をとるのが医師の仕事でもあります。患者・家族のみに責任を押し付けず、より良い意思決定ができるような丁寧な関りをすることが医療者の仕事だと思います。

チャイケモ 楠木
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