旅行
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整備本部長の赤坂です。
この夏、JALグループでは「社員全員で安全を守る」ことをテーマに、安全運航の強化に取り組んでいます。安全は、乗務員や整備士、空港スタッフなど現場の最前線で働く者だけではなく、経営や管理部門、営業や事務担当者に至る全ての社員が“安全を最優先に考え行動する”ことによって実現できるものであり、あらためてこれを徹底し全員で職務に当たろうというものです。

そして毎年この時期に、私たち社員が必ず取り組んでいることがあります。それは、32年前の1985年8月12日に520名の尊い命を奪ってしまった御巣鷹山事故を振り返ることです。すでにほとんどの社員が事故後の入社となり、事故後に生まれた社員が次々と入社している昨今において、この事故を決して過去のものとせず、その記憶や教訓を紡いでいくことは、私たちの使命でもあると考えております。

この事故は、当時学生であった私の心にも強烈な記憶として刻まれ、「このような事故を二度と起こしてはいけない」という強い思いが沸き上がったことを忘れることができません。日本航空に入社し、出会った整備士たちもまた、一人一人が安全に対する強い意志をもって働いていることを知り、私の思いは、その後のすべての行動の軸となる『信念』となりました。私も入社以来30年間、この信念に突き動かされてまいりましたが、事故後に生まれた世代の社員が多くなっている中、この意志をどのように伝えていけばいいのか、ずっと考え続けてまいりました。
  
私は、そのような世代の社員に事故についてしっかりと知ってもらうこと、そして事故の悲惨さを心から感じてもらうことが何より大事だと考えており、整備部門では安全教育の一環として、毎年いくつかの活動を実施しています。その一つが御巣鷹山事故の調査報告書をレビューする社員セミナーの開催です。技術者としてこの事故から考え得ることは何か、学ぶべきことは何かなどを一人一人が自らに問いかけ探り続ける努力が必要だと考えています。もう一つは、現地に赴き、感じるために行う事故現場や慰霊施設の清掃です。これらの活動に参加した新入社員たちは、自分たちの仕事の意味や目的、そして自分たちがこれから何をしなければならないかを心から理解できた、そんな思いを寄せてくれています。

どんなに技術が進歩しても、航空の安全は決して簡単に手に入れることはできない。それは人の不断の努力や強い責任感によって作り出さなければならないもので、凄まじい程の努力があって初めて守り抜くことができる。『安全』は生半可な気持ちでは堅持することができない。私はそう考えています。
若い社員たちがこうした信念を受け継ぎ、空の安全を守る誇り高い技術者に育ってくれることを心から願い、私自身もそのための努力をこれからも重ねてまいります。

※7月中旬、慰霊の園の清掃を実施。写真は赤坂(前列中央)と当日参加した新入社員
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