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【実話】「UNIQLO」の表記は間違いからココまできた? ファーストリテイリングの歴史を紐解いてみた

※画像はイメージです

アパレル業界において国内ナンバーワンの売り上げを誇る「ファーストリテイリング」の代表格ブランド「ユニクロ」。今やビッグブランドとなったユニクロですが、実は山口県の小さな洋服屋で始まっていたのです。歴史を紐解いていくと、意外な事実も……。

■父から紳士服専門店を譲り受け、働く気のなかった青年が経営に目覚める

現・ユニクロ社長の柳井正さんは、大学卒業後「ジャスコ」に就職。しかし、働く気力が起きず、すぐに辞めてしまい、実家の父の商売を手伝うことに。それこそが、ユニクロの前身と言われている山口県の紳士服専門店「小郡商事」でした。

柳井さんは、ジャスコ時代に社員が夢中で商売する姿を見ていたため、実家のお店の従業員のやる気のなさに驚愕。柳井さんが熱心に注意をするようになると、従業員はみな辞めてしまい、結局、ひとりでお店を回すことになります。そのうちに、自分の取り組みがダイレクトに数字になる面白さを感じ、経営者としていきていくことを決意したそうです。

柳井さんはこの当時、食事以外の全ての時間を仕事に注ぎ込んだといいます。その甲斐あってか、会社の売り上げが30億を超えるようになりました。それと同時に、“このまま個人経営ではやっていけないのではないか”とも思うように。

そんなこともあって、1984年、小郡商事はカジュアルウェアを専門に取り扱う「ユニーク・クロージング・ウェアハウス」を広島県にオープンさせます。これが、名目上は“ユニクロ1号店”ですが、翌年、山口県内に出店した2号店が、現在のユニクロの原型になっているようです。

■アップデートを重ね、安くてかっこいいブランドイメージを築く

実はブランドの英語表記である「UNIQLO」の表記には、面白い裏話があります。80年代の後半に入ると、香港と取引するようになり合弁会社を設立。その際の会社登記の書類に本来「UNICLO」であるはずの表記が「UNIQLO」と間違えられてしまったのだそう。しかし、その表記を柳井さんが「かっこいい!」と気に入ったことでそのまま採用し、現在も使われ続けているのだそうです。

91年に称号を「小郡商事」から現在の「ファーストリテイリング」に変更。94年には、国内直営店舗数が100店舗を超えました。また、同じく94年に発売を開始したユニクロのフリースウェアは、当時、主にアウトドアブランドが取り扱う高価格帯商品でしたが、それを1900円という驚きの低価格で販売したことで世間に大きな衝撃を与え、特大ヒットを記録しました。

その後は安さを武器にファミリー層の支持を集める一方で、若者からは「安いけどダサい」とネガティブに語られることも多くなってしまいます。しかし、2000年代後半にはロゴの変更や、世界的デザイナーたちとのコラボレーションを始め、洗練されたイメージを獲得。近年は、ごく当たり前のようにユニクロ製品のデザイン性や品質の高さにスポットライトが当たるようになっています。

――こうして、山口県の小さな紳士服店は、“安くてかっこいい”世界的なアパレルブランドに大変身を遂げたのです。
 

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