家庭でマグロの刺身を食べようと思ったとき、スーパーで冷凍のものと生のものが売られていたら、どちらを選びますか? 冷凍の方は値ごろな印象で、生マグロの方が高級なイメージがありますよね。しかし家庭でマグロを食べる場合、実は冷凍のマグロのほうがいいという見解があります。もしこれが本当なら、安く売られているもののほうがおいしいという話になってしまいます。その理由を検証していきましょう。
■マグロの「うまみ」のメカニズム
まず、マグロの「うまみ」について改めて理解しておきましょう。マグロのうまみの元になる成分は「ATP(アデノシン三リン酸)」と呼ばれる物質です。このATPはマグロの死後、熟成が進むとともに「イノシン酸(=うまみ成分)」という物質に変わり、うまみを生み出していくのです。
それでは、ATPについておさらいしたところで、生マグロではなく冷凍マグロを買ったほうがいいと思われる理由をご説明します。
■冷凍のマグロがおすすめのワケ
それは「生マグロの本当に美味しいタイミングを見極めるのが難しい」ためです。生マグロは本来、技術のある料理人などがしっかりと食べごろ(ATPがイノシン酸に変わるタイミング)を見極めて提供したものであれば、非常においしくいただけるものですが、このタイミングを見極めるのが、素人にはなかなか難しいのです。
一方、冷凍のマグロです。現在お店に並んでいる冷凍のマグロは、急速冷凍技術により、ATPなどのうまみの元になる成分が失われることなく保存された状態なのです。そして、家庭で冷凍マグロを解凍する際に熟成が進み、イノシン酸が増えるのです。したがって、冷凍マグロは生マグロと比べてタイミングをあまり気にせずに、安定したおいしさを楽しめるということです。
以上の考え方から、家庭でマグロを食べる場合は冷凍のほうが値段的にもおいしさ的にもおすすめできます。ちなみに、家庭で冷凍のマグロを解凍する際は、ビニール袋に入れて氷水に1~2時間つけてゆっくり解凍すると、熟成がいい具合に進んで、おいしくいただけるそうです。
2015年11月8日(日)よる10時00分~10時54分
MBS - TBS系全国ネット
司会:林修、大政絢
ゲスト:澤部佑(ハライチ)、田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、橋本環奈、宮崎美子、和田正人
次回の放送内容:今回は、初参戦の西島秀俊が「警察」の捜査にまつわる驚きの最新知識で林先生に挑戦。また、これまで魚に関するさまざまな知識で林先生を追い込んできたさかなクンが、「ロブスター」に関する驚きの事実を出題する。さらに、この季節限定の「紅葉」や「夜景」にまつわる問題や、「京都」の有名な歴史的建造物に隠された衝撃の事実など、選りすぐりの初耳学候補が続々登場。はたして“初耳学”に認定されるのは!?