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『コアラのマーチ』にまつわる謎。そもそも、なぜ"コアラ"がマスコットなのか知ってる?

 

■コアラが描かれているのはナゼ?

コアラのマーチが誕生したのは、1984年3月のこと。それ以前からロッテは、空洞のビスケットにチョコレートを詰め込む技術を開発し、商品化を着々と進めていたといいます。

そんな折、同年10月にコアラが初来日するというニュースが開発陣の耳に入りました。かつて、パンダの初来日が大ブームを巻き起こしたこともあり、コアラブームを見越した開発陣は、コアラ型のビスケットの表面に、コアラの絵柄をあしらったお菓子を販売することに決めたのだとか。

“コアラのマーチ”という商品名は、動きが活発ではなく灰色で地味なコアラが、マーチングバンドを組んで楽しく日本に訪れる……というコンセプトから来ているといいます。このネーミングに合わせて、全12種類の絵柄の約半分には、コアラが楽器を演奏している姿を採用したそうです。

ちなみに、特徴的な六角形の外箱は、ユーカリの木をイメージしたものだという話も。発売当時は、パッケージの形が似通ったお菓子が多かったため、この斬新なパッケージは、店頭でかなり注目を浴びたそうですよ。

■“ラッキーコアラ”は勘違い!?

コアラのマーチが大人気商品にのし上がるきっかけとなったのは、1990年頃、女子高生を中心としてまことしやかにささやかれるようになった“ラッキーコアラ”という都市伝説でした。ビスケットの絵柄には、まゆ毛の描かれた“まゆ毛コアラ”や、盲腸の手術痕がある“盲腸コアラ”が存在しており、それを見ると幸せになると噂されていたのです。

しかし実は、“まゆ毛コアラ”のまゆ毛は力を込めてラッパを吹いている眉間のしわで、“盲腸コアラ”の手術痕は、転んで怪我をしてしまったコアラの傷跡を表したもの。つまりラッキーコアラとは、消費者の勘違いが生んだ噂だったのです。

インターネットが普及する以前に、こうした誤解が口コミで日本全国に広まり、コアラのマーチが大ヒットする要因となったというのですから、面白いですよね。

■“ラッキーコアラ”は本当にラッキーなのか

ロッテは当時から現在に至るまで、絵柄ごとの確率操作などはしていないといいます。1990年頃には約50種類ほどになっていた絵柄は、どれも同じ確率で出るようになっていたそうで、“まゆ毛コアラ”も“盲腸コアラ”も、決して“ラッキー”なものではなかったようです。

絵柄が消費者の関心を集めたこともあって、ロッテは絵柄の種類を増やしていき、その一つひとつに名前をつけるようになったとのこと。現在では365種類ものコアラがプリントされているらしく、当然“ラッキーコアラ”が出る確率も下がっているため、今見つけたら本当に“ラッキー”といえるかもしれませんね。

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