どの世代の人にも子どもの頃に遊んだ、強い思い入れのあるゲーム機があるものかと思います。しかし、最新技術を取り入れ、満を持して発売されたものの、時代を代表するゲーム機とはなれずに消えていったゲーム機も数知れず…。
■【バーチャルボーイ】1995年発売/VR機能を搭載させたゲームは受け入れられず…
1995年に任天堂から発売された『バーチャルボーイ』は、元社長の岩田聡氏も「商業的にいえば、失敗したと思います」と言及したほど売れなかったことで有名なゲーム機です。
『バーチャルボーイ』の遊び方はゴーグルを目に当て、そこに映し出された3Dグラフィックを見ながら手元のコントローラーでプレイする…というもの。今でこそVRも馴染みのある言葉になりましたが、25年前としては間違いなく革新的なアイデアだったと言えるでしょう。しかし、時代を先取りしすぎてしまったのか世間からの理解を得られず、世界規模でも80万台程度しか売れなかったと言われています。
ですが、昨今のVRブームで再評価され始めているようで、最近ではバーチャルボーイをVR内に再現して遊ぶことができる『VBjinエミュレーター』が海外で登場。バーチャルボーイがいかに画期的だったのかを実感する方が増えてきているようです。
■【ピピンアットマーク】1996年発売/“史上最も売れなかったゲーム機”という汚名
そんな『バーチャルボーイ』よりも販売台数が低いのが『ピピンアットマーク』。おもちゃメーカーとして有名なバンダイと、iPhoneなどで言わずと知れたAppleがタッグを組んで開発したという、1996年に発売されたゲーム機です。
おもちゃに限らずマルチに展開できるエンターテインメント企業への成長を考えていたバンダイと、業績が低迷していて起死回生を狙っていたAppleが共同開発した『ピピンアットマーク』。バンダイとAppleでのイメージの食い違いや、エンジニアのストライキによって開発が難航したものの、Macのゲームやソフトが利用できる互換性や、インターネットへの接続機能を有する多機能な商品となりました。
しかし、日本での販売価格が他メーカーのゲーム機と比較すると高額であったことや、Windows 95が普及し始めた当時ではMacとの互換性がセールスポイントとならなかったことなど、さまざまな要因が重なったことでハード戦争に敗北。全世界でたったの4万台程度しか売れなかったと言われており、ゲームマニアの間で“史上最も売れなかったゲーム機”として有名になってしまいました。
−−−−企業の努力の末に生まれたゲーム機がコケる…。辛い事実ですが、どの時代であっても高価すぎたり、先を行き過ぎたりと大衆の感覚とのズレがあるとヒット作にはなれないのでしょうね。