対面でのやり取りが減ったコロナ禍だからこそ、文章の重要性が見直されていますよね。
巣ごもり状態で、SNSの利用時間は増加。Facebook、Instagram、Twitter、ブログ、メール等で、文章をいかに人に読んでもらうかが重要になってきています。
「努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのなら、それはまだ努力とは呼べない」
これは、868本と世界一ホームランを打った王貞治氏の名言です。この言葉によって、私自身もどれだけの勇気とエネルギーとパワーをもらったかわかりません。
この名言のテーマは「努力」ですよね。たとえば、この「努力」というテーマで自分の人生を振り返り、自分と向き合い、エピソードを見つけ、それを文にする。実はこれこそが文章力をアップさせる秘訣なのです。
人はエピソード(人間性)が盛り込まれた文は読んでくれます。しかし、エピソードが入っていないと興味を示し辛くなります。ということは、人に文を読んでもらうためには、エピソードを入れる努力をしなければいけないのです。それは、どんなに短い文章でも、長い文章でも全く変わりません。
文章に入れるエピソード(これは自分のものだけではなく、他人のものでも構いません)が見つかれば、それは“実話”ですから、どんどん文章を書けるようになります。文章力を上げるには量も必要ですから、どんどん書けるようになれば、自ずと文章力はアップしていきます。
では、問題は、エピソードを文章のどこに入れるかです。文章の構成の基本として「起承転結」があります。「起」で読み手を呼び込み、「承」で話を広げ、「転」で全く違う内容をはさみ、「結」で結ぶというものですよね。この「起承転結」で、どの部分が一番大事だと思いますか。「起」でしょうか。「結」でしょうか。実は「転」なのです。「転」の部分にエピソード(人間性)を入れることで人は文を読んでくれます。
たとえば、○○投手が10勝目を挙げた(起)。その日はフォークボールが冴えて10三振を奪った(承)。登板日の朝食は必ず奥さんの得意料理を食べることにしている(転)。次は11勝目を狙うぞ(結)という文章があるとします。これに対して、○○投手が10勝目を挙げた。その日はフォークボールが冴えて10三振を奪った。次は11勝目を狙うぞという文章があるとします。どちらを読みたいと思いますか。転にエピソードが入っている前者の方でしょう。
このコロナ禍だからこそ、エピソード(人間性)を書くことが今まで以上に重要になってきています。短い文章だからこそ、人間性を書くことで、人はあなたの文を読んでくれます。