オリンピックのメダリストたちの成功法則。今回は、目的意識、貪欲さ、真似を取り上げます。仕事などに取り入れてみてください。
※目的意識
・室伏広治(男子ハンマー投げ、アテネ五輪金メダル)
日本人が世界で戦うのは無理と考えられていた投擲競技で金メダルを獲得しました。壁を意識し過ぎるのではなく、単なる目標と考えること、決して「無理」と考えないこと。「目標が高くなると、意識も高くなる。一人ができるようになると、皆ができるようになってくる」と言っています。
・宇津木妙子(ソフトボール監督、シドニー五輪銀メダル、アテネ五輪銅メダル)
速射砲のようなノックで選手を鍛えるなど練習の厳しさはよく知られていましたが、宇津木監督によると、目的意識のない練習は時間のムダだと言います。目的意識を持ち、「自分にとって今、何が必要なのか」を考え、頭を使って取り組むことが肝要とも言っています。
※貪欲さ、あきらめない
・山本博(男子アーチェリー、ロサンゼルス五輪銅メダル、アテネ五輪銀メダル)
ロス五輪の銅メダリストが20年後のアテネ五輪で銀メダルを獲得。「やっと銅から銀になった。あと20年かけて金を狙おうかな」と山本は言いました。息の長い競技とはいえ、年とともに体力も視力も低下する中の快挙は、あきらめない気持ちがすべてでした。
・イアン・ソープ(男子水泳、シドニー五輪金メダル、アテネ五輪金メダル)
シドニーとアテネ五輪で金5つ、銀2つ、銅1つを獲得した怪物は、「もっと知りたい、もっと学びたい。こうした好奇心を失わないことで、人は成長していくのだと思う」と言って憚りません。また、現役時代、「完璧な泳ぎができたら僕は引退するよ。でもそんなことは起こらないから大丈夫」と常に前向きだった。
※真似
・吉田秀彦(男子柔道、バルセロナ五輪金メダル)
スポーツは真似から始まりますが、吉田ほど徹底していた柔道家はいませんでした。吉田は、本当に強い選手の動きを観察して、それを体で覚えていくというやり方の繰り返しで技を磨き、強くなったと言います。そのターゲットとなったのは、2年先輩で“平成の三四郎”と呼ばれたバルセロナ五輪金メダリストの古賀稔彦(故人)でした。柔道の私塾・講道学舎、世田谷区立弦巻中学校、世田谷学園高校とまったく同じ道を歩み、常に学び、真似をしていきました。「最初はただの物真似でも、何度も繰り返すうちに自分の形になっていくものです」。真似する相手が一流であればあるほど、自分の形も強くなっていくのです。また、吉田は、「練習で自分自身に負けるものは、必ず試合でも自分に負ける」とも言っています。