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休園・休校の急増でママパパから悲鳴…「代替保育」とは?「ベビーシッター利用支援」「休業助成金」でも足りない実情

ジャーナリストの岸田雪子氏が子育て周辺の課題を考える連載「岸田雪子のBloom Room」。笑顔の“つぼみ”を花開かせる小部屋です。今回は相次ぐ休園・休業中の子育ての悩みについて。
 

オミクロン株の拡大で、全国のママパパの負担が激増しています。保育園や幼稚園、小学校から突然「明日からお休みになります」と連絡が入ると、戸惑いますよね。我が家の中2男子もいきなりの完全オンライン授業中ですが、特に小さなお子さんの世話をしながら自宅でお仕事なんて、無理というものです。ネット上でも嘆きの声が多く聞かれます。

『臨時休園キター』
『濃厚接触に該当せずみんな元気にピンピンしてるんだけど、このイライラはどこに当てればいいの?』
『ずっと家。早くも限界』
『お金ないしどうしたらいいの』


ただでさえ日頃からワンオペ育児に悩む方も多い中での緊急事態です。企業経営陣のみなさんには、賃金を全額支給した休暇の取得をスムーズに進めて頂きたいと願います。政府から経済界への強い働きかけも必要です。

この「賃金を全額支給する休暇」を従業員が取得すれば、企業には政府から助成金が出ます。「小学校休業等対応助成金」というもので、名前に「小学校」と付いていますが、保育所や幼稚園も対象。非正規雇用の方も利用できます

ただ問題なのは、休みを取りたいとママパパが相談しても、事業主の側が応じないケースが、これまでに政府が把握しているだけでも全体の1割ほどあるのです。
 

企業が応じてくれない場合は「地元の労働局」に相談すれば、労働局から事業主に働きかけてくれるのですが、事業主との関係が悪くなるのではと心配される方もあります。

私が厚生労働省を取材したところ、「労働局に相談いただければ、企業側に対して、9割の企業は応じている制度なのだから、利用してくださいと、説得します。まずは労働局に、相談してください」とのことでした。

さらに、厚労省が今日(2月8日)発表した新たな対策では、事業主が応じない場合は、保護者が事業主に確認を取らずに、個人でも申請できるように制度を変えるとしています。事業主が応じない場合の相談先となる労働局の電話番号一覧はこちらです。

そして、制度そのもののご相談は厚労省のコールセンターが設置されていますので、こちらも利用されてみてください。
電話番号は 0120-60-3999 です。


一方、休みが取れずに働かなければならない場合は、ベビーシッターを頼む時の助成金の制度もあります。例えば東京都では「ベビーシッター利用支援事業」として、安倍政権時の一斉休校の際にできた制度を今も続けていて、臨時休園や、登園自粛、臨時休校の子ども1人あたり1時間2250円の補助(自己負担額150円。夜間は加算あり)などが出ます

事業に参加するベビーシッター事業者のリストもこちらにご紹介しておきます。

これ以外にも、市区町村が提携している事業者もあるそうですので、お住まいの自治体に問い合わせてみてはいかがでしょうか。


さらに厚労省は新たに「代替保育を促進させる」とも発表しました。これは、保育園や幼稚園が休園の場合、代わりの預け先として、公民館や児童館、子育て支援センターなどで子どもを受け入れやすくするもので、自治体への補助金を引き上げます。

新しい保育場所を作るというよりも、これまでも災害時などに「一時預かり」として子どもたちを受け入れてきた制度を使いやすくする形ですので、お住まいの自治体の保育担当の窓口にご相談してみてください。

預かったお子さんをお世話する人員やスペースは十分なのか、安全対策に不備はないかなどの確認も重要です。また、お子さんが濃厚接触や、その可能性がある場合も受け入れるかなどは、それぞれの自治体の判断によって異なることもあるでしょう。

民間のベビーシッター会社の一つに話を聞くと「問い合わせが急増している」とのこと。中には「濃厚接触者かどうか確認中のご家庭には伺えない」というところもあり、全てが解決する訳ではありません。政府や自治体には子育て当事者の切実な声を、きめ細やかに政策に反映していただきたいと願うばかりです。

 

ジャーナリストの岸田雪子氏が子育て周辺の課題を考える連載「岸田雪子のBloom Room」。笑顔の“つぼみ”を花開かせる小部屋です。今回は相次ぐ休園・休業中の子育ての悩みについて。

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