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なぜ牛乳はペットボトルで販売されないのか

今や清涼飲料水だけでなく、カクテルやワイン、日本酒までもペットボトルで販売される時代です。確かに軽くて持ち運びにも便利。残量が一目でわかってリサイクルもしやすいペットボトルは、飲料の容器としては万能ですよね。

■ペットボトルで販売されない飲み物とは?

でも、1つだけペットボトルで販売されていない飲みものがあるのです。それは「牛乳」。なぜ牛乳はペットボトルで販売されていないのでしょうか? コンビニやスーパーなどの店舗でほとんど「ペットボトル入りの牛乳」を見かけることがないのは、おもに2つの理由からだと言われています。

1つ目の理由は「コストの問題」。専門のボトルの開発や工場レーンの確保といったコストを考えると、牛乳をペットボトルで販売するメリットがあまりないというもの。殺菌のシステムを徹底させ、牛乳専用のペットボトルを作ってそれを市場に流通させるには、紙パックの3倍のコストがかかるという説もあるそうです。

2つ目の理由は「雑菌の繁殖を防ぐため」。牛乳は他の飲料に比べて栄養分が多いので、雑菌も繁殖しやすく、10℃以下での保存が基本。ペットボトルで牛乳を販売し、持ち運びが簡単になると、ボトルに口を付けて雑菌が繁殖しやすい状態になった飲みかけの牛乳を、気温が10℃以上の場所へ持ち歩くような状況が予想されます。いくら業界が注意喚起をおこなっても、完全に安全な状態でペットボトル牛乳の持ち運びをしてもらえない以上、メーカー側は食中毒などのリスクを避け、紙パックや瓶の容器をセレクトするというわけです。

■法律で決められていること?

実は2007年に『乳及び乳製品の成分規格等に関する省令』が改正されて、国内でペットボトル入り牛乳の販売をおこなうことは法律上可能になっているのです。それにもかかわらず、先述の2つの理由や、消費者アンケートでもペットボトル入り牛乳に対してポジティブな反応が得られなかったことから、ペットボトル入り牛乳の販売がほぼおこなわれていないというのが現状なんですね。

こうして理由を並べてみると「ごもっとも!」という感じですよね。ランチや雑談の席でこの話題をふいに振ってみると、盛り上がるかもしれません。

ちなみに、牛乳は“朝の飲み物”というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実は夜寝る前に飲むと、胃の粘膜を保護してくれたり、疲労回復に役立ったりと、さまざまなベネフィットも報告されています。何となく口寂しいときには、人肌に温めたホットミルクを飲むと気分も落ち着くとか。30代、40代の男女で毎日牛乳を飲むという人の割合は約20%。お疲れモードの体に上手く牛乳を取り入れて、元気に毎日の生活を送りたいですね。

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