■買い物に利用するシーンがますます増えた
SuicaやPasmoといったIC乗車券の普及で、毎回、目的地までの金額を確認して切符を買う必要もなくなり、券売機の前で列を作って並ぶ必要もなくなった。定期券で乗り越す場合も、精算窓口に並んで小銭のやり取りをすることもなく、自動的に精算されるからストレスなく、改札機にIC乗車券をかざすだけで駅を後にすることができる。
また、電車をスムーズに利用できるだけでなく、売店やコンビニでの買い物もIC乗車券で済ますことができるのも魅力である。導入当初と比較すると、かなり広範な店舗での利用が可能になっているのが現状だ。極端な話、都会では現金なしで過ごすことも可能なほど、使い勝手がよくなったのがIC乗車券である。
■改札機から出る音のバリエーションは増やすことができる
IC乗車券の愛用者なら、一日に何回でとなく、改札機でも売店の端末でも、ピッという音を耳にしているに違いない。ラッシュ時などは、ピッ、ピッ、ピッ・・・・とリズムのように連続して鳴り続ける。しかし時々、他とは違った音がすることがある。
「ピッ」と書いたけれど、正確には、チャージしたお金を運賃として利用するSF(Stored Fare)利用時の入場は「ピピッ」、定期券として入場する場合は「ピッ」と鳴る。そして残金不足や定期券の期限が切れ、かつ残金が不足して入場不可のときは「ピー」と鳴って注意を促す。
しかし、残額が不足した状態にあることはなかなか気付かない。実は、駅員に申し出ると、音を変えて判別する「お知らせ機能」をIC乗車券に付与してくれるのだ。
この音声案内をONにすると、SF利用時の残額が1000円以下で改札を通ると「ピピピッ」と音がするようになる。定期券機能の場合は、「ピッピッ」とハネたリズムのような音で、有効期限が14日未満になったことを知らせてくれる。
■オートチャージ機能を実践してみる
もっとも、残額不足で通れなくなることを防ぐ方法としては、オートチャージ機能を追加するのが確実だろう。1000円未満になると、自動的に、例えば3000円チャージしてくれるような設定ができるのだ。ただし、JR東日本ならビューカード、東京メトロならToMeCardといったクレジットカード会員に加入することが必須になっている。
クレジットカードは持ちたくないという人もいると思うが、オートチャージ機能はやはり使い勝手がいい。ちなみに、各社で利用に応じたポイント制度などを設けている。例えばビューカードの場合はチャージするたびにポイントが付く。チャージした金額は電車利用のみならず、売店やコンビニ、量販店や書店などで幅広く使えるから、ポイントを貯める機会が意外と多いことに気づく。
IC乗車券を電車利用だけでなく、日常の買い物に使うあたらしいツールとして見ると、便利な世の中になったものだと感じるのであった。