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年末年始!夫や子供と喧嘩しないで過ごすヒント

クリスマスからお正月にかけて、ファミリーイベントが目白押しのこの時期。楽しいはずのイベントなのに、実際は夫婦げんかや子供を叱る回数が増えたり…という話も聞きます。せっかくの家族時間を、穏やかに楽しく過ごすためのヒントを子育て心理学を交えてお伝えしていきます。

■子供の居る家庭はどうする?年末年始の旅行者は過去最高

年末年始はどのように過ごすご予定ですか? 旅行会社JTBの調査によれば、2015年から2016年にかけての年末年始に、旅行に出かける人は過去最高となるのだそうです。国内旅行派が2996万人、海外旅行派が63万人ということで、4人に1人が旅行に出かける換算です。

また、旅行には行かなくとも、実家に帰省したり、日帰りでどこかに出かけたりと何かと外出が多くなるのこの時期。本音は「家でのんびりしながら”食う・見る・寝る”のお正月」かもしれませんが、小さい子がいたら、食べてはくれても、寝てくれない、そして寝かしてくれない……。「ならば外に出てしまおう」というご家庭も多いのではないでしょうか。

■意外と多い! 外出先でのイライラ、ゲンナリ

今は全国各地に子供のための施設やイベントがあふれていますから、休みとお金がいくらあっても行きつくことがないほどです。特に、クリスマスやお正月という1年でも特別感があるこの時期は、親は子供のために何か特別なことを盛り込もうとがんばってしまうもの。すでに予定がパンパンというご家庭もあるかもしれません。

しかし、いざ出かけてみると、どこもかしこも人だらけ。「行列が長い!」「思うように進まない!」で、ママが子供を怒鳴ったり、パパが飽き飽きしてタバコを吸っていたりという光景を毎年のように目にします。せっかくお出かけしても、ママがプンプン、パパがゲンナリでは、残念ながら子供にとってはマイナスです。

■卵が先か、にわとりが先か?

出先で、
・子供が言うこと聞かない
・歩かずに抱っこばかり
・イヤイヤの連続で、しまいには大泣き
いずれもよくある悩みです。「だから疲れる」「そのせいでイライラする」と感じている方もいらっしゃるでしょう。しかし、親のイライラと子供の駄々こねは、どちらが先とも言えないことがよくあります。

親は、子供が駄々をこねるせいで、イライラすると感じているかもしれませんが、パパとママがあまりの混雑にイライラしたり、ゲンナリしたりしているから、子供にそれが伝わり、普段以上の大荒れ状態を起こしてしまうこともよくあるのです。まさに、「卵が先か、にわとりが先か」と言えます。

そもそもは子供を喜ばせたい、楽しませたいと思って出かけたのに、子供がずっと”への字口”では元も子もありません。

■アタッチメント理論から見た、年末年始の家族時間の過ごし方

年末年始のお出かけの目的は、「その場所自体に行ってみたい」「子供をそこに連れていってあげたい」という気持ちもあると思いますが、やはり、「家族といい思い出を作りたい」「子供たちとの絆を深めたい」という方が多いのではないでしょうか。とくに、普段、なかなか子供たちとの時間が取れないパパはなおさらでしょう。

「親子の絆を深める」という目的を子育て心理学で見ると、量よりも質にこだわることがポイントになってきます。「お出かけ」という切り口で言えば、”どこに行くか”ではなく、”どう過ごすか”が大事なんですね。

小さい子が親に求める精神的な絆を、心理学用語で”アタッチメント”といいますが、これは量よりも質により強化されることが分かっています。過去に執筆した記事『パパ育児、こうやると子供の心にポジティブに響く』の中で触れたノルウェーの研究。そこでは、赤ちゃん時代に父子で多くの時間を一緒に過ごしたにもかかわらず、その質が伴っていないと、3歳の時点で社会での適応能力が乏しいなどの傾向が出てくることがあるとお伝えしました。

■子どもの笑顔をキープできる内容にとどめるのがコツ

遊びやイベントは、親としての満足度が高まりやすいのですが、連れて行ってあげただけではダメで、そこで質のいい時間を過ごさないことには、効果的なアタッチメント強化にはつながりにくいのです。

極端な話、人気の遊園地に行って、大混雑のあまり親がイライラして過ごすくらいなら、家の近所の公園で家族全員ゆったり過ごした方が、子供にとってはハッピーなんですね。

つまり、予定を決める際、子どもの笑顔をキープできる内容にとどめておくのが、ベストチョイスなのです。もしかしたらそこは、地味な場所かもしれません。人気スポットでもなんでもなく、ありきたりの平凡な場所かもしれません。「この時期くらい、話題のスポットに連れて行ってあげたい」という気持ちも捨てがたいですが、子供が近所の公園で心底楽しんでいる顔を見たら、「あ、ここでよかった」と思えるはずですよ。

(執筆:佐藤 めぐみ)

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