「国」と「箱」アナタはどっちの世代？

鎌倉幕府が成立した年を憶えるために、多くの人が口にした有名すぎる語呂合わせ「いい国つくろう鎌倉幕府」。「いい国」なので「1192年」ということですね。ところが、今の歴史の教科書では「いい国」が「いい箱」になっているのです！ これは驚きとしかいいようがありません。

「いい箱」とは、「1185年」のこと。つまり、鎌倉幕府が成立したのは1185年だというのです。かつては源頼朝が征夷大将軍に任命された年が1192年ということで、この年を鎌倉幕府成立の年としてきました。一方で、頼朝が実質的に支配を始めたのは1185年。壇ノ浦の戦いで平家が滅亡して、頼朝が全国に守護・地頭の設置を朝廷に認めさせた年なのです。そのため、歴史的に見るとこのタイミングで鎌倉幕府の基礎がつくられたことになるので、最新の日本史上では1185年が鎌倉幕府成立ということになっているわけです。

私たちが習った「いい国つくろう」というのは、当時は確かなことだとされてきたものなので、鎌倉幕府の例のように、これまで歴史上の事実とされてきたものが「実は違った！」なんて新発見があるかもしれません。日本史の教科書に触れる機会は通り過ぎてしまいましたが、今後も歴史研究から目が離せませんね。 （撮影：石井幸久）


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