日本でもファミリーレストランや宅配サービスなどで普及しているピザは、私たちにとって身近な食べ物です。イタリア料理に分類されるピザは現在、2つの種類に大別できます。
ひとつは、宅配ピザでもおなじみのアメリカ式のピザ。特徴は、250℃前後の石釜でおよそ10分間じっくりと焼き、生地の水分を飛ばすことで生まれるサクサクとした食感です。
もうひとつの種類は、イタリア式のピザです。なかでも、ピザの発祥の地であるナポリの「ナポリピッツァ」が代表格です。特徴は、カリッとした表面とモチモチとした中身の食感を両立しているという点。アメリカ式のピザとは製法も異なります。
ナポリピッツァの調理には、石窯ではなく薪窯を使用します。設定される温度は、400℃前後。その中で時間にして2分、すばやく焼き上げることで、生地に水分を残したまま仕上げることができるのです。
このナポリピッツァに関して、口にする前に仕上がりの良し悪しを判別する方法があります。注目するのは、ピザの裏面にある“焦げ”。ピザの裏面を見て、真っ黒な焦げが大きくついているとNGです。焦げがまったくない状態でも、仕上がりがいいとは言えません。ほどよく焦げ目がついているという状態がベスト。これにより裏付けられるのは、調理の正確さです。
■ピザの“焦げ目”に見る職人技
素早く加熱するために約400℃に保った薪釜の中では、ピザの生地が着地した時点で接地しているピザの裏面に焦げ目がつきます。そして調理時間の約2分間のなかで一度、窯の中のピザに手を入れる工程があります。ここで職人の技術が発揮されます。
窯の中のピザを手前に持ってきて焼き加減を確認し、焼きムラが生じるのを防ぐために生地を回して、元の窯の中に戻します。このときに、元の位置に正確に戻すことが求められるのです。もし元の位置から1cmでもずれていると、ピザには真っ黒な焦げ目がついてしまいます。
先述したように、およそ400℃に達する窯の地面では、生地をのせたらすぐに焦げがついてしまいます。しかし、最初に生地を置いていた場所は生地によって冷やされており、温度が下がっているのです。つまり、焼いていた場所へ正確に戻すことができれば、あらたな焦げの発生を最低限に抑えることができるのです。その結果として、しっかりと焼き上げられ、かつ、適度に香ばしいナポリピッツァが完成します。
ナポリピッツァを食べる際は、まず裏面を見る。同じテーブルに座っている人たちは不思議がるかもしれませんが、職人のこだわりを理解できたときの喜びも食事の醍醐味のひとつです。
2015年9月13日(日) よる10時00分~10時54分
MBS - TBS系全国ネット
司会:林修、大政絢
ゲスト:かたせ梨乃、澤部佑(ハライチ)、三遊亭円楽、田村淳(ロンドンブーツ1号2号)、中島健人(Sexy Zone)
次回の放送内容:魚にまつわる知識で林先生を追い込む強敵、さかなクンがまたも参戦。今回はトビウオの秘密にせまるとっておきの知識で勝負を挑む。さらに、女性の見た目にまつわる衝撃的な事実や、街で見かける飲食店の看板に隠されている意外な事実など、聞けば誰かに話したくなる知識が続々登場。はたして初耳学に認定されるのは?