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やっぱり一味違う? 『an・an』が発信する「新型コロナと恋活について語る記事」が、わりと勉強になった件について

ネット版の『an・an(#an・an)』が『出会いのチャンスがほぼゼロ…新型コロナで約6割が「恋活」に変化』なるタイトルの記事を配信していた。23〜39歳の未婚女性とan・an総研メンバーを対象に行った

Q1.新型コロナショックの影響で、恋活に変化はあったと思いますか?
 
Q2.今、恋人はいますか?

……という、1ミリの奇のてらいもない直球ど真ん中な2つの質問へのアンケート調査を基に構成されており、文字数も少なめで簡潔な内容でこそあれ、さすがan・an! こと “恋” にかけては、ネット上に雨後の竹の子のごとく乱立する恋愛サイトの一枚も二枚も上手(うわて)をいく “試合巧者” よろしくの貫禄で、なかなかに凝縮された無駄のない内容であった。また一つゴメスはan・an読んでお利口になりました!

で、「Q1.」の結果は「YES:59% NO:41%」。「恋をしたくても、自粛生活では出会いのチャンスがほぼゼロ」「何か行動に移すのが面倒になる」……などが、その理由である。

「Q2.」の結果は「NO:80% YES:20%」。そんなにいっぱい恋人がいない子がいるのか!? なんでそういう子たちが自分の目の前に現れないのか!? ……と、軽い憤りを交えながら驚きもしたのだけれど、まあ「彼氏ができない・欲しい」が悩みの支点となりがちな、恋愛至上主義者的女子をメインの読者層とする媒体が行った調査ゆえ、こうした偏った数字に落ち着いてしまうのは致し方ないのかもしれない。

そして、これらの結果を鑑みて、同記事の取材に応じていた公認心理師の山名裕子さんは、記事中で

「ソーシャルディスタンスをとらざるを得ない今、人との “距離” は新時代のキーワードです。
(中略)実は(時代の)転換期は、自分の理想の恋愛はどういうものか、改めて見極める良いタイミング。そのためには、まず自分の弱みを受け入れ、強みが何かを見直してみること」

……と、「出会いがない」と嘆くan・an読者たちにアドバイスを贈っている。

まったくもってそのとおりだと思った。ただ、私としては「Q2.」で「恋人がいる」と回答した20%を対象とする、「今の恋人に満足していますか?」という質問に対する回答結果のほうが、むしろ興味深かった。

「とても満足している」と答えた人は約6割。「まあ満足」と答えた人は約3割──すなわち、すでに「恋人がいる」女子の、彼氏への満足度は相当に高いということだ。

もしかすると「恋人がいる」彼女たちは、このたびの新型コロナショックによる自粛を通じ、 “自分自身” だけではなく “パートナー” を見つめ直すことにも成功したのではなかろうか? 浮ついた誘いもイベントもなく、朝から晩まで淡々と規則正しい生活をそれなりに長い期間過ごしてきたなかで、マヒしかけていた “今そばにいてくれるパートナー” の長所・重要性、あと「我慢できる部分」を再認識できたわけである。だとすれば、人類を未曾有の危機へと巻き込もうとする新型コロナウィルスが生んだ、数少ない副次的な “恩恵” ……との見方もできなくはない。ちょっとイイ話ではないか。

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