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日本で7名だけが携わる、切手にまつわる特殊任務

全国に約20万人という日本郵便のスタッフの中で、わずか7人でまわしている極めて特殊な任務があるのです。それは、切手デザインの業務です。郵便局で売られている普通切手の図案が2015年2月2日に一新されたこともあり、ここに来て切手デザイナーさんの仕事がにわかに注目を集めています。

今回の普通切手の図案を担当したのは、貝淵純子さんと星山理佳(あやか)さんという2名の女性切手デザイナーです。貝淵さんがこれまで手がけてきた切手は日本画などの伝統的なデザインが多く、最近では色鉛筆を効果的にとりいれています。一方、貝淵さんの後輩にあたる星山さんは写実的な動物画を得意とし、「ほっとする動物シリーズ」をはじめ明るい作風で知られます。

個人的にお薦めしたいのは、玉木明さんです。10種の切手の中に30を超える土木事業を描いた特殊切手「土木学会創立100年」(2014年9月発行)が典型的なように、10面シート全体を使って表現することに長けています。切手全体にクリーム地を引いた落ち着いた味わいの作品が多いのも彼の特徴といえるでしょう。最近では、「切手趣味週間」、「国土緑化」、「国際文通週間」などの伝統のあるシリーズの重責も担っています。

お気に入りの切手デザイナーさんを見つけると、郵便局の窓口で過ごす待ち時間もちょっとした息抜きの時間になるので、面白いですよ。 (執筆:板橋 祐己)(撮影:石井幸久)

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