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子供の為にならない!5つのNGな褒め方とは?

■子供を褒めるのは良いこと?褒めすぎは良くない?

「どんどん褒めましょう。褒めることで、子供は自信を育み、やる気に溢れ、生き生きと羽ばたいていきます。」

「いやいや、あまり褒めるのもよくないんです。日本には古くから、褒めることで相手の意欲を削ぐ『褒め殺し』という言葉もあるでしょう。」

子育てをしていると、こんな正反対の意見に出合うことがあります。一体どちらが正しいんでしょう? 昨今の研究が示すのは、「褒め方」に少し気を配るのがいいということ。「褒め方」によって、確かにその子の成長のサポートにもなりますし、反対に、伸びる妨げにもなり得ます。

この記事では、ではどんな「褒め方」が効果的なのか、整理してみましょう。

3歳までは、褒め方を気にせず、どんどん褒めましょう

褒め方に心を配るのがいい、とはいえ、3歳頃までは、それほど褒め方を気にすることなく、どんどん褒めてやりましょう。

例えばこんな研究があります。24ヶ月の幼児と母親のやりとりを観察し、36ヶ月を迎えたところで子供達に課題を与えます。すると、24ヶ月の時点で母親がよく褒めていた子の方が、自信を持って意欲的に難しい課題をやり抜いたと言います。

年齢が下の子ほど、周りが喜んだり励ましたりする様子をそのまま直球で感じ取り、自分も嬉しくなってどんどん前へ進もうとします。

ところが3歳頃にもなれば、次第に言葉の意味もより理解できるようになり、相手の表情の裏側にある意図や気持ちをより敏感に感じ取れるようになります。そこで、褒める側も、少し気をつける必要があるというわけです。

ではどんな褒め方が、ネガティブに働いてしまうのでしょうか?

褒め方NG1: 曖昧に褒める

例えば、途中で何度もめげそうになりながらも、大嫌いなブロッコリーを食べ終えたとします。ほっと達成感を味わっているところ、「すごいね!」と褒められるか、「いつも残したり、食べなさいと言われないと食べなかいのに、お皿に乗っていた2つとも食べたのね。頑張ったね!」と褒められるか。

後者のように、より具体的に褒められた方が、子供も、「あ、自分のこと、よく分かってくれてるな」という気持ちになります。

その子なりに一生懸命やり遂げたことを、「すごいね!」というような曖昧な言葉で褒められても、あまり心に届かないばかりか、逆に「自分のこと本当にちゃんと見てくれてるのかな」という気持ちを持つ子もいます。また「とにかく褒めておけばいいと思ってるんじゃないかな」とさえ感じる子もいるかもしれません。これでは「褒めて伸ばす」ことには繋がらないばかりか、その子との関係にとってもいい影響を与えません。

忙しくて余裕がなかったりすると、ついついその場しのぎの曖昧な褒め方になってしまうこともあります。それでも褒める時は、取り組んでいることを少しだけ横に置き、子供の目を見て心を込め、具体的な言葉をかけてやりましょう。

■褒め方NG2: 結果や才能を褒める

「優勝したなんて才能あるわ!」「100点とって賢いわね!」など、「結果」や生まれ持った「才能」を褒めることが、子供の成長にとってマイナスに作用してしまうというのは、多くの研究が示しています。なぜでしょう? 

それは、結果や才能というのは、子供自身で常にコントロールできるものではないためといいます。いつも優勝したり、100点を取るなんてことはできません。また才能や賢さとは程遠く見える失敗も通り、それでも続けるからこそよい結果に繋がることもあるものです。

子供にとって、頑張ってもどうなるか分からないことを褒められても、次回へのやる気には繋がらないのです。それどころか、「才能ある」や「賢い」といった評価を損なわないために、より難しい課題へ挑戦することを避けたり、失敗を恐れるようになることもあります。

「やり抜く力」や「努力」など、子ども自身がコントロールできると感じることを、褒めてやりましょう

「途中少し弾き間違えたけど最後まで諦めなかったの、ママ偉かったと思うわ。 ピアノコンクール優勝おめでとう!」「1週間ゲームの時間を減らしてたくさん勉強して頑張ったね。満点嬉しいね!」こうした言葉がけによって、次回も頑張るぞ! というやる気へ繋げていきましょう。

褒め方NG3: 簡単過ぎることを褒める

大した努力をするでもなくさっとできてしまうことを褒められても、そうは嬉しくないものです。返って、「自分にはこれぐらいしかできないと思っているのかな」と少し不満に感じる子もいるでしょう。

また昨今の研究では、褒め過ぎは、「ナルシスト」を生み出してしまうという報告もあります。その子に合ったハードルを越えた時に、褒めてやりましょう。

■褒め方NG4: 既に好きでやる気に溢れていることを褒める

例えば、昆虫が大好きで、時間があれば昆虫図鑑を読んでいたり、地面を這う虫を観察したりとしているところ、「昆虫のこと調べて偉いわねえ!」と褒められても、本人にしてみればピンとこないかもしれません。

それどころか、褒められることが続くと、せっかく情熱を持っていたことへも、興味を失ってしまう場合があると示す研究もあります。

これは、内面から湧き出る情熱に突き動かされ自発的にしていた行為が、褒められるという外からの「報酬」と結びつくことで、元々あった好奇心や探究する喜びが萎えてしまうためと説明されています。褒められ続ることで、やる気の源がいつの間にか「褒められるため」へとすり替わってしまう場合があるというのです。

子供が興味を持ち没頭しているようなことは、そっとしてやる、時々褒める、楽しそうに話を聞いてやるぐらいがいいでしょう。

■褒め方NG5: 他人と比較して褒める

「○○ちゃんに勝つなんてすごいじゃない!」特に負けず嫌いな子は、こうした周りとの比較の言葉をかけられると、一気にやる気の炎を燃え上がらせます。それでも長い目で見るのなら、あまり効果的な方法ではありません。

勝ち負けの世界は、勝ったり負けたりを繰り返すもの。いつも勝てるわけではないですし、またどんなに勝ったとしても、常に上には上がいます。他人に勝つことがやる気の源になってしまっては、負けた時点でやる気を失ってしまいます。

比べるのは、過去の自分とにしましょう。「2ヶ月前はあんな遠くまでボールが届かなかったのに、上手になったね!」と、以前の自分と比べる言葉をかけてやりましょう。

大好きなお母さんお父さんに褒められた時の、ぱっと輝く子供達の誇らしげな表情。褒め方に少し心を配り、自信とやる気を育み、子供達が生き生きと羽ばたいていくのをサポートしていきたいですね。

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