今日もいつものように仕事をしていると、ふいに実家の親からメールが・・・。「物置から古いおもちゃが出てきたけど、捨てていい?」。ああ『ブタミントン』なんて懐かしいなと思いながらも、「いいよ」と返事を打つあなた。
その返信、ちょっと待った!
捨てるくらいなら私にください。せっかく大人になったので、子どもの頃に欲しかった物を買おうとしたら、なかなか売ってないんです。なかにはとんでもない高値で取り引きされる物もあります。いったい懐かしのおもちゃたちが現在どれほどの価値を持っているのか、オタクの殿堂こと、中野ブロードウェイのまんだらけに調べに行きました。
■メジャーなぶんレアなやつは相当レアな「ビックリマン」&知ってる人がレアな、女の子向け「ビックリコ」
レア度が高いヘッドロココ(逆扇)はなんと10万円
『キラ』が出るよう願いながら、1つ30円の「ビックリマンチョコ」を開けた1985年。あまりの人気に社会問題にまで発展したシールを、みんな輪ゴムでまとめていました。31弾まで発売されたシリーズのうち、前半は特にキラが少なく、なかでも背景の扇形が下向き(逆扇)のヘッドロココは滅多にお目にかかれません。逆扇が仕様だったのか、エラーだったのかは、本当のところはわかっておらず、ちょっとした歴史ロマンです。なお、あまり知られていませんが、女の子向けに「ビックリコ」というシリーズも出ていました。もしやと思い探してみると、なんとあるではありませんか。まんだらけの品揃え恐るべし。
▲「ビックリコ」も、れっきとしたロッテの商品
■「BB戦士」派と人気を二分。ナイトガンダム好きなら「元祖SDガンダム」だったよねー?
▲本体はもちろん、今見ると箱のデザインもカッコイイ! 最近ナイトガンダムのゲーム参戦が多くて嬉しい限りです
箱付き、未組立は3000〜5万円
がっしりと大きめな造詣の「元祖SDガンダム」(1988年発売開始)。ひとまわり小さいけれど手頃な値段で発射ギミックのある「BB戦士」(1987年発売開始)。「元祖」はナイトガンダムやG-ARMSの系列がやや多く、「BB」は武者ガンダム系が多かったという特徴がありました。あなたはどっち派だったでしょうか。いずれにせよプラモは組み立てて遊ぶもの。未組立のまま現在まで残っているものはけっこうレアです。箱だってオカンに捨てられちゃいますしね。今回見つけた「元祖」の場合は未組立・箱付きで3000円くらいから。限定版は5万の高値がつくとのこと。ここで朗報です。「元祖」は発売終了していますが、「BB」は実はまだ出続けています。気になったら近所のおもちゃ屋へGO!
▲「まんだらけミクロ館」には『キン消し』も! そういや鉛筆の字は全然消せませんでしたね
■小宇宙(コスモ)より先に財布が燃え上がりそうで、小さい時は全部買えなかった「聖闘士聖衣大系(セイントクロスシリーズ)・黄金聖衣(ゴールドクロス)」
▲たまたま撮影直前に入荷した、12宮のうち10宮の黄金聖衣(ゴールドクロス)
12宮セットで15万円を超えることも
1986年から発売された「聖闘士星矢」の大ヒットシリーズで、「射手座・サジタリアス アイオロス」が絶大な人気を誇りました。クロスは人物に纏った状態も、分離させてオブジェにした状態も、どっちも痺れるかっこよさ。12宮を全部は買えないので、自分の星座だけで我慢する人もいたと思います。それを現在手に入れようとするならば、箱の状態がよければそれぞれ8000円〜1万円くらい。2003年からは最新技術でフィギュア化した「聖闘士聖衣神話(セイントクロスマイス)」も発売されており、こちらも人気があります。懐かしのおもちゃが最新技術で復活するのを目の当たりにできるなんて、まさに、「私たちは今、伝説の中にいる」といった感慨を禁じ得ません。
■あなたの『リカちゃん』は3代目か4代目か、わかります?
▲手前(右)が3代目リカちゃん、奥に控えるのが今も現役の4代目リカちゃん
3代目リカちゃんは箱無しで3000円
初代リカちゃんが国産の着せ替え人形として発売されたのは1967年で当時の価格は600円でした。その子も現在は4代目で、おもちゃという枠を飛び越えて、タカラトミーの広告を担当するタレントにまで出世しています。社会の中枢で活躍する淑女の皆さまが、子どもの頃に遊んだのは1980年代。これはリカちゃんが3代目から4代目に交代する時期にあたります。いずれも瞳のなかの星の数は3つと同じですが、4代目は頬がぷっくりしていてやや童顔です。3代目を探そうとしても基本的に箱付きは無く、価格帯は3000円前後(ビンテージを除く)。もし箱付きでお持ちの方は捨てちゃダメ、絶対!
▲「いや私はジェニー派」「バービー派」「ティモテ派よ!」という方も居るでしょう
■「大人の都合」で変遷した『ひみつのアッコちゃん テクマクマヤコンコンパクト』
▲2代目【前期型】のコンパクト
登場から5話でアニメが終わってしまった2代目後期型
淡いピンクで触れると音が出る丸いコンパクトは、当時の少女たちの心に響いた魔法の逸品。持っていた人も多かったでしょう。これは2代目前期型のコンパクト。入手はなかなか難しく価格は1万3000円です。「あれ? 私のコンパクトは四角い記憶があるんだけど」。それはさらに貴重な2代目後期型コンパクトで、現在の価格は約3万円。丸い前期型があまりに人気だったため、1年後にデザインを変更して発売された代物になります。この大人の都合を反映して、アニメの作中では、丸いコンパクトが壊れて、新しくなるという筋書きに。
▲左が2代目【後期型】、真ん中の初代コンパクトはかなりシンプルなつくり
ところが新コンパクトになってから5話で放送が終わってしまったので、四角いコンパクトの流通量はかなり少なく、結果的にレア度が高くなりました。ところでそれよりさらに前、1969年に放送された初代アッコちゃんのコンパクトもあります。鏡と絵がついているシンプルな作りで価格は2万円前後です。
■「オッス!」より「んちゃ!」だよねーという人も多いはず!? 『アラレちゃん』はグッズが豊富!
▲当時ポピー社が出していた人形は海外での人気も高い
パワーギャル アラレちゃん 特捜隊Ver が6万円
マンガ『Dr.スランプ』の連載がジャンプで始まったのは1980年。テレビアニメ『Dr. スランプ アラレちゃん』の放送開始は1981年。テレビアニメ版は当時の少年誌の読者を飛び越え、女子小中学生をも取り込み、最高視聴率は36.9%を記録しました。アニメ本編はもちろん、明るく元気なオープニング、少し寂しさが残るエンディングが印象的でした。その大人気にあやかろうと数多のグッズが誕生したので、文房具、羽付き帽子、さまざまなタイプの人形など、どれかひとつは手にとった記憶があるのではないでしょうか。
▲他にも駄菓子屋で販売されていたアラレちゃん消しゴムが袋一杯で1万円という価格でした。
■「勇気を持って飛び降りる?」→14へ行け→「死んでしまった!」。ページをめくる手に汗にぎる『ゲームブック』
本を読んでいると選択肢が現れて、選んだ方のページを繰って物語を進めて行くゲームブック。サイコロを使ってモンスターと闘うタイプの本はファンタジー色が強く、さながら一人用TRPGといったところでした。1980年代にイギリスで作られて世界中でヒット、日本でも翻訳版が発売されました。そう、1980年代はゲームブックの黄金時代だったんです。ブームの期間は約10年で、90年代にはその地位をコンピューターゲームに取って代わられます(コンピューターゲームを題材にしたゲームブックも結構有りました)。だが、しかし、おもしろい物は時を超えておもしろい。入手しやすい価格の本や、探せば珍品もありそうなので、ゲームブック道に入門してはいかがですか?
【取材協力】
まんだらけ 中野店
http://www.mandarake.co.jp/shop/index_nkn.html
中野ブロードウェイ内の27区画を占めるサブカルの聖地。古書、レトロおもちゃ、フィギュア、ジャニーズ系など、品物のバラエティは他の追随を許さない。
★今回お世話になったのは・・・★
・4Fぷらすちっく・・・ドールや魔法少女などピンク色っぽいものが得意
・3Fスペシャル3・・・ジャンプ系、ゲーム系、LEGO、ディズニーのTOY
・3F本店2・・・マンガ・ラノベなら何でもおまかせ
・2Fミクロ館・・・80年代から90年代の玩具が中心
・2Fカード館・・・カードやシールを知るものよ、来たれ!
文:本山光
編集:大山勇一(アーク・コミュニケーションズ)
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