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冬の災害、大寒波に備えるためには?

「暖冬傾向」と長期予報では出ていた今年の冬ですが、実は過去「暖冬傾向」と言われているときほど雪による被害は発生していることも多く、年末から2月にかけて警戒と準備が必要です。

■山間部にとどまらない豪雪被害


都心部も寒波が発生すれば雪景色に

降雪時に車は冬用のスノータイヤを使用するのが必須ですが、特に都市部では用意していない人が多く、そこら中でスリップ事故が発生してしまいます。また勘違いしている人が多いのが、四駆ならば雪道でも問題ないと思っている人。駆動力は強くても、制動時に四駆は全く効果がありません。雪道で事故を起こしている大型四駆を良く見かけます。

雪の予報が出ているときには極力車の使用を控えること。止むを得ない場合は事前に必ず冬用タイヤに履き替えておくことが必要です。雪道に慣れていない人が車を運転するのは自分のみならず、周囲にも危険を及ぼす可能性が高くなります。特に危ないのは降雪後の明け方近く、雪が凍りついた路面はさらに事故をおこしやすい環境にあります。

通学や通勤時に、凍った路面で滑って大怪我をする前に、簡易的な靴の滑り止めを用意しておきましょう。革靴やブーツなどにも簡単に取り付けられるものも市販されているので、いざと言うときにひとつあると安心です。また早足で歩かずに、垂直に足を下ろすようにすると雪道では転びにくくなります。手荷物を減らすようにするのも効果的です。

■降雪による停電時に備える

山間部はもちろんのこと、都市部でも十分に可能性のあるのが電線への着雪などによる「停電」。近年発生した豪雪では広い地域で道路が閉ざされてしまい、電源回復までに思いのほか時間がかかり、多くの人が凍える室内で我慢を強いられることがありました。集合住宅では停電時には断水も同時に発生しますので、他の自然災害同様、飲料水の備蓄は不可欠です。

降雪量の多い寒冷地では暖房に「ガス」や「灯油」など複数の手段を使用している家庭が多いと思いますが、都市部では停電時に電気以外に「暖房」や「調理」などの手段を持たない家庭が多く、冬場は体調不良などによる健康被害の可能性も高くなります。高齢者や幼児などのいる家庭では、寒波に備えて複数のエネルギーを確保しておきましょう。

また2014年12月に発生した豪雪時に徳島県の集落が豪雪で孤立してしまったとき、地域でIP電話が普及していたため、多くの家庭で安否確認が出来なくなってしまいました。IP電話はネットワークを経由しているため、機器に電力が供給されないと使えないという欠点があります。災害時に備える意味では、従来の回線との併用をお奨めしたいと思います。

さらにスマートフォンにおいても、各キャリアの電話番号を使用せずにIP電話を使う人も多くなってきていますが、IP電話は基本的に110番や119番などの緊急通報が出来ないことをご存知ですか? 災害発生時にはこれは非常に不安なことです。IP電話はコストダウンなどのメリットもありますが、デメリットも踏まえ、複数の連絡手段を持っておくことをおすすめします。

(執筆:和田 隆昌)

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