時事

先にホールアウトした者の強み・・・伏兵の若手が優勝をさらう

2012年全米オープンの振り返り

 舞台は西海岸のカリフォルニア州、オリンピッククラブ レイクコース。起伏が激しく、アンジュレーション豊かなコースがまたしても選手を苦しめた。そんな難コースで最後に優勝の栄冠を勝ち取ったのは、26歳のウェブ・シンプソンだった。第1ラウンドを2オーバー、第2ラウンドを3オーバー、通算5オーバーの29位タイで予選を通過したシンプソンの勝利をこの時点で予想した者がいただろうか。そこから快進撃が始まった。

 第3ラウンドを2アンダーで回り、8位タイにつけると、最終日も2アンダー、通算1オーバーで先にホールアウト。後続で優勝争いを演じていたジム・フューリックやグレアム・マクドウェルら実力者がスコアを崩していく中、クラブハウスリーダーのシンプソンの順位がどんどん上がる。首位に躍り出ると、そのまま全組がホールアウト。悲願のメジャータイトルを手にした。

 前年には米ツアー賞金ランキング2位につけた期待の若手であったことは間違いない。ただ、世界最高峰の戦いでシンプソンが優勝を飾ったのは驚きだった。シンプソンの快挙の裏で、有力選手たちは苦しんだ。メジャー通算15勝目を目指したタイガー・ウッズも2日目を終了して首位タイに立つなど大会を盛り上げたが、3日目に75と崩れて、通算7オーバー、21位タイで終戦。

 前年大会で圧倒的大差で初の全米オープン覇者となったローリー・マキロイはまさかの予選落ち。モンスターコースが牙をむいた。日本からは、藤田寛之、石川遼、谷口徹、高山忠洋の4人が出場。石川は初日を終えて15位タイの好位置につけたが、2日目に大たたき。1打足りずに予選落ちを喫した。藤田一人が予選通過を果たして、通算13オーバー、51位タイで大会を終えた。

2012年全米ツアーハイライト(動画) >>
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