全米オープン・J・スピースのメジャー2連勝なるか？ ＜6月21日のハイライト＞

通算アンダーパーは8人。この日アンダーパーをマークしたのはわずか6人。世界のトッププレーヤーが全米オープンらしい難コンディションに苦しめられた。日を追うごとに乾くフェアウェイとグリーン。そんな究極のガマン大会の中、日本勢でただ一人孤軍奮闘の戦いを続けているのが松山英樹だ。

通算1オーバー、21位タイからスタートした松山は、出だしの1番でバーディを奪う幸先のいいスタート。9番ではボギーをたたくが、きわどいパーパットを決めるなどイーブンパーで折り返した。後半は11番でボギー、14番ではフェアウェイバンカーからの脱出に失敗しダブルボギー。通算4オーバーまでスコアを崩すが、悪い流れは最終ホールのバーディで断ち切った。通算3オーバーで首位とは7打差。勝負の最終日となる。

その首位には4人が通算4アンダーで立つ。前日、めまいでホールアウト直前に倒れたジェイソン・デイ（オーストラリア）、初日首位スタートのダスティン・ジョンソン（アメリカ）、ブランデン・グレース（南アフリカ）、そしてメジャー連勝が近づくジョーダン・スピース（アメリカ）の4人だ。

3打差の5位タイにルイ・ウーストヘイゼン（南アフリカ）、キャメロン・スミス（オーストラリア）、シェーン・ロウリー（アイルランド）、J・B・ホームズ（アメリカ）の4人。9位タイの1オーバーグループに首位タイでスタートしてスコアを落としたパトリック・リード（アメリカ）ら6人が続く。

アダム・スコット（オーストラリア）が松山と同じく通算3オーバー、19位タイ。ローリー・マキロイ（北アイルランド）、おととしのチャンピオン、ジャスティン・ローズ（イングランド）が通算4オーバー、25位タイ。キャリアグランドスラム達成まで残すところ本大会のみ、6度の2位フィニッシュで今年こそ優勝を目指したフィル・ミケルソン（アメリカ）はこの日77の乱調で、通算10オーバー、66位タイに沈んだ。

1番から6メートルを沈めて追い上げ開始に見えた。しかし、それを許さないのがこのチェンバーズベイと、全米オープンという舞台。フロントナインの中盤は難ホールが続くが、長いパーパットを決め出し、ガッツポーズも飛び出す。しかし9番で3パットボギーとした時点で、首位との差は開いていた。折り返したバックナインでも14番で落とし穴が待つ。フェアウェイ真ん中に位置するバンカーがまさに落とし穴だった。ティショットがつかまると、2打目は前方のアゴに当たり再びバンカーへ戻った。4オン2パトのダブルボギー。並みの選手ならズルズルと後退していくこともあるだろうが、松山はそこからも粘りのゴルフを展開。最終18番パー5では、3打目を2メートルにつけてバーディ。初メジャー制覇に望みをつないで、静かに、力強く語った。

「今日はスタートも良かったですし、最後もバーディで締めくくれたのが良かった。明日につながればいいですね。この状況にきて上を目指さない人はいない」

今年のマスターズで圧勝劇を演じた21歳のジョーダン・スピースが、メジャー2連勝に向けて首位をキープ。最終日は壮絶なバトルを演じることになる。メジャー4大会を同一年で制覇する年間グランドスラム達成となれば、一気にスピース時代の到来が告げられること間違いなし。マスターズでは独走での優勝だったが、混戦模様の本大会で優勝を遂げれば、一気に突っ走る可能性が出る。

「もちろんメジャー2連勝はしたいと思っているけど、それはあまり考えない。今日は3パットが4回もあった。明日はとにかくラウンドに集中して、混戦から抜け出せればいいね」

大会2日目の最終ホールでめまいのため倒れこみ、3日目のプレーが心配されたジェイソン・デイがコースに戻ってきた。そして首位に立つという離れ業を演出。しかし、その裏では、ひたすら18ホール完走を目指していたデイの強い気持ちが動いていた。ホールアウト後はテレビインタビューに一瞬だけ答え、体調回復のため会見をスキップしてコースを後にした。悲願のメジャータイトルに向けて手負いのオージーが力を振り絞る。

「皆さんの前で直接お話しすることができずに申し訳なく思っている。すべてを出し切ったラウンドで、もう力が残っていなかった。全米オープンは私にとってとても大事な試合。明日しっかりとプレーできるようにしたい」（声明）

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