■サッカーは相手をダマすスポーツ。相手の予想を上回るのが楽しい
……今のプレースタイルを確立したのはいつ頃と自覚していますか?
「小学生の頃はいわゆる点取り屋(FW)でした。体も比較的大きかったし足も少し速かったので、『点を決めてなんぼ』という感じで。今のポジションをやるようになったのは中学生になってからで、それからはあまり変わっていないと思います。僕より前のポジションに足の速い選手がいたので、その選手にいかにいいパスを出すかを考えながらプレーしていたら、いつの間にかこういう感じになっていたというか」
……サッカーではボールを保持して味方が動く時間を作ることを「タメを作る」と言います。遠藤選手はまさにそれができる選手だと思うのですが、その効果について教えてください。
「本来ならゴールに一直線に向かう方が早いし、見ている人にとっても分かりやすいですよね。でも、実際に相手がいるピッチでプレーしていると、なかなかそう簡単にはゴールまでたどり着けないんです。ただ、相手を疲れさせることができれば、ゴールまでの道筋が見えてくる。『タメを作る』ことは自分たちでゲームを支配する、ボールの主導権を握るということなので、僕が試合中にやっているのはゴールを奪うための土台作りですね」
……遠藤選手自身は、そこにサッカーのおもしろさを感じているんですか? 相手と駆け引きをしながら主体的にボールを動かして、相手を疲れさせることでゴールを奪うための土台作りに。
「そうですね。サッカーは相手をダマすスポーツだと思うので。やっぱり、相手の予想を上回るプレーでゴールを奪うのが一番楽しいですね。そのためには、自分の頭の中で周りの状況をしっかり整理しておかなきゃいけない。すごく難しいことなんですけど、それができる選手が多いほどチームがうまく回ると思いますね」
「小学生の頃はいわゆる点取り屋(FW)でした。体も比較的大きかったし足も少し速かったので、『点を決めてなんぼ』という感じで。今のポジションをやるようになったのは中学生になってからで、それからはあまり変わっていないと思います。僕より前のポジションに足の速い選手がいたので、その選手にいかにいいパスを出すかを考えながらプレーしていたら、いつの間にかこういう感じになっていたというか」
……サッカーではボールを保持して味方が動く時間を作ることを「タメを作る」と言います。遠藤選手はまさにそれができる選手だと思うのですが、その効果について教えてください。
「本来ならゴールに一直線に向かう方が早いし、見ている人にとっても分かりやすいですよね。でも、実際に相手がいるピッチでプレーしていると、なかなかそう簡単にはゴールまでたどり着けないんです。ただ、相手を疲れさせることができれば、ゴールまでの道筋が見えてくる。『タメを作る』ことは自分たちでゲームを支配する、ボールの主導権を握るということなので、僕が試合中にやっているのはゴールを奪うための土台作りですね」
……遠藤選手自身は、そこにサッカーのおもしろさを感じているんですか? 相手と駆け引きをしながら主体的にボールを動かして、相手を疲れさせることでゴールを奪うための土台作りに。
「そうですね。サッカーは相手をダマすスポーツだと思うので。やっぱり、相手の予想を上回るプレーでゴールを奪うのが一番楽しいですね。そのためには、自分の頭の中で周りの状況をしっかり整理しておかなきゃいけない。すごく難しいことなんですけど、それができる選手が多いほどチームがうまく回ると思いますね」
■一番大事なのはワールドカップ本番
遠藤が言う、チームをうまく回らせるために必要な「状況をしっかり整理できる選手」は、今の日本代表にも数多く存在する。ところが、最近の日本代表はやや低調だ。10月の欧州遠征では、W杯に出場できないセルビアとベラルーシを相手にまさかの完敗を喫した
W杯まであと7カ月。多くのファンが不安を募らせる現状について、チームの中核を担う遠藤は何を思うのか。
……今年6月にブラジルで開催されたコンフェデレーションズカップ以降、なかなか思うような結果が出ない試合が続いています。
「勝ったり負けたりという感じですけど、僕の中では、それほど大きな不安はありません。世界と戦う上で必要な準備を進めている段階でもあるので、今は一番難しい時期なのかなと。結果だけを見て感情を変化させるのは良くないと思っているので、選手である僕らはあまり気にせずに、やるべきことをやり続けないといけないんじゃないかなと」
……見ている側としてはどうしても結果に一喜一憂してしまうところがあると思うんですが、ピッチに立っている選手たちの感情はしっかりコントロールされていると。
「そうですね。負ければ何かを言われるのは当然の立場なので、それはしっかり受け止めています。でもピッチに立っている僕らも本気だし、一番大事なのはワールドカップ本番だということも理解しているので、焦りはありません。チームは劇的に改善するものじゃなく、少しずつ良くなっていくもの。前回のW杯を経験している選手も多いので、そういう部分のコミュニケーションは十分に取れていると思います」
W杯まであと7カ月。多くのファンが不安を募らせる現状について、チームの中核を担う遠藤は何を思うのか。
……今年6月にブラジルで開催されたコンフェデレーションズカップ以降、なかなか思うような結果が出ない試合が続いています。
「勝ったり負けたりという感じですけど、僕の中では、それほど大きな不安はありません。世界と戦う上で必要な準備を進めている段階でもあるので、今は一番難しい時期なのかなと。結果だけを見て感情を変化させるのは良くないと思っているので、選手である僕らはあまり気にせずに、やるべきことをやり続けないといけないんじゃないかなと」
……見ている側としてはどうしても結果に一喜一憂してしまうところがあると思うんですが、ピッチに立っている選手たちの感情はしっかりコントロールされていると。
「そうですね。負ければ何かを言われるのは当然の立場なので、それはしっかり受け止めています。でもピッチに立っている僕らも本気だし、一番大事なのはワールドカップ本番だということも理解しているので、焦りはありません。チームは劇的に改善するものじゃなく、少しずつ良くなっていくもの。前回のW杯を経験している選手も多いので、そういう部分のコミュニケーションは十分に取れていると思います」
■自身3度目のワールドカップ。決勝トーナメント進出だけじゃもの足りない
……ブラジルW杯に出場すれば、遠藤選手にとって3度目のW杯となります。
「良い結果を残すために良い準備をしたいと思います。まあ、良い準備をしたからといって良い結果が出るとは限らないんですけど、とにかく自信を持って臨みたいなと。前回は決勝トーナメントに進出して満足してしまったところが少なからずあったんですが、やっぱりそれだけじゃもの足りない。少しでも上に行って、良い結果を残したいですね」
「良い結果を残すために良い準備をしたいと思います。まあ、良い準備をしたからといって良い結果が出るとは限らないんですけど、とにかく自信を持って臨みたいなと。前回は決勝トーナメントに進出して満足してしまったところが少なからずあったんですが、やっぱりそれだけじゃもの足りない。少しでも上に行って、良い結果を残したいですね」
■良い準備をしたからといって、良い結果が出るとは限らない
遠藤と話すと、「泰然自若(たいぜんじじゃく)」という四字熟語を思い出す。
……落ち着き払って物事に動じない。安らかで変化せず、平気な様子……
ピッチの中でも外でも、遠藤は舞台を問わずにマイペースを貫く。しかしそのあまりにも泰然自若な様から、ふと思い浮かぶ疑問がある。
目の前にいる遠藤のふわっとした柔らかい存在感は実は彼の「自然体」ではなく、もしかしたら、あくまで自己演出によってそれを「見せている」のではないか……。
あれだけ状況が刻一刻と変わるピッチの上で、冷静でいられるはずがない。日本代表の中核を担う司令塔として、プレッシャーを感じないわけがない。たとえ「マイペース」や「自然体」が本物だとしても、ピッチに立つ彼の頭の中は「ゴールを奪うためのベストの選択」を探ってグルグルと目まぐるしく回転しているのだろう。それを平然と処理できる能力が、日本代表の司令塔が持つ最大の武器である。
「良い準備をしたからといって良い結果が出るとは限らない」
平気な顔でそう言える、日本代表の司令塔が頼もしい。
(All About FOOTBALL編集部・細江克弥)
<関連リンク>
名波浩にインタビュー!「長所の伸ばし方」
『フットボールネーション』が「深イイマンガ」なワケ
ガンバ大阪(GAMBA OSAKA) Facebookページ
……落ち着き払って物事に動じない。安らかで変化せず、平気な様子……
ピッチの中でも外でも、遠藤は舞台を問わずにマイペースを貫く。しかしそのあまりにも泰然自若な様から、ふと思い浮かぶ疑問がある。
目の前にいる遠藤のふわっとした柔らかい存在感は実は彼の「自然体」ではなく、もしかしたら、あくまで自己演出によってそれを「見せている」のではないか……。
あれだけ状況が刻一刻と変わるピッチの上で、冷静でいられるはずがない。日本代表の中核を担う司令塔として、プレッシャーを感じないわけがない。たとえ「マイペース」や「自然体」が本物だとしても、ピッチに立つ彼の頭の中は「ゴールを奪うためのベストの選択」を探ってグルグルと目まぐるしく回転しているのだろう。それを平然と処理できる能力が、日本代表の司令塔が持つ最大の武器である。
「良い準備をしたからといって良い結果が出るとは限らない」
平気な顔でそう言える、日本代表の司令塔が頼もしい。
(All About FOOTBALL編集部・細江克弥)
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