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「急がば回れ」でまわるのは琵琶湖!?

琵琶湖
急いでいるときほど時間がかかっても安全で確実な方法をとれという戒めとして「急がば回れ」ということわざがありますよね。よく知られているこのことわざ、実は琵琶湖が大きく関わっています。

「急がば回れ」は、室町時代の宗長という人が詠んだ連歌がルーツとされています。連歌とは、上の句と下の句を2人または複数人で交互によむ詩のことです。

もののふの 矢橋の船は速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋

「もののふ」は武士、「矢橋の船」は、現在の滋賀県南部の草津の矢橋港から大津の石場港まで渡していた船のこと。「瀬田の長橋」というのは、日本三大大橋の1つである瀬田の唐橋のことです。

旅人が東から当時の都・京都へ向かうとき、矢橋港から対岸の石場港まで船で琵琶湖を横断するのが最短ルートでした。しかし、このルートは比叡山から吹き下ろす風がとても強く、船が転覆することもありました。一方で、橋を使って琵琶湖をぐるっとまわる陸路のルートは船の倍以上の距離があるため遠回りなのですが、安全確実でむしろ早く着くことができたのでした。

このことから、現在のように「遠回りでも安全で確実な方法をとるほうが、結局早く目的が達成できる」という意味で使われるようになりました。ちなみに巨大なイメージがある琵琶湖、実は滋賀県の1/6ほどの面積しか占めていません。

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