時事

いよいよ開幕、全米オープンゴルフ選手権 <6月19日のハイライト>

今季メジャー第2戦の全米オープンゴルフ選手権が開幕した。初めてとなるアメリカ西海岸北部での開催。開場8年しか経っていないピュージェット湾沿いのチェンバーズベイが今年の舞台だ。

大方の予想通り、画面に映し出されるコースの様相はリンクス風。さらには、フェアウェイ、グリーンの境目がなく、スコットランドから輸入されたフェスキュー草がよりいっそう、世界最強決定戦を難儀にする。グリーンにはアメリカ西海岸独特のポアナ芝が混在し、選手たちを苦しめた。それでも初日は静かなスタートだった。

午前スタート組にとっては穏やかな風で、荒涼としたコースの風景は厳しさを増すことはなかった。風は徐々に強まっていったが、そんな中、首位に立ったのは、5アンダーをマークしたヘンリック・ステンソン(スウェーデン)とダスティン・ジョンソン(アメリカ)の二人。4アンダーでパトリック・リード(アメリカ)が2位につけている。3アンダー、3位タイにマット・クーチャー(アメリカ)、ベン・マーティン(アメリカ)、アマチュアのブライアン・キャンベル。2アンダー、7位タイグループにジョーダン・スピース、ジェイソン・デイ(オーストラリア)ら7人が続く。

156人中、アンダーパーは25人。開幕前の予想では果てしないオーバーパーも予想されたが、微風のコンディションが幸いした。しかし、これからが選手と主催のUSGAとの戦い。初日のスコアを見た上でコースセッティングやヤーデージを変えてくるのがUSGAだからだ。

期待の日本勢は、松山英樹と川村昌弘がイーブンパーの26位タイでまずまずのスタート。藤田寛之が2オーバー、52位タイ。石川遼は4オーバー、98位タイ、薗田峻輔が8オーバー、141位タイと出遅れた。

キャリアグランドスラムまであとは全米オープンのみとなっているフィル・ミケルソン(アメリカ)は1アンダー、14位タイ。世界ランキング1位のローリー・マキロイ(北アイルランド)は前年覇者のマルティン・カイマー(ドイツ)らとともに2オーバー、52位とやや出遅れている。注目のタイガー・ウッズは10オーバーと大きく崩れ、152位と沈んでいる。

■メジャー制覇を目指す松山英樹 一時は首位も初日は無難な滑り出し

メジャー優勝を目標に世界で戦う松山英樹が静かなスタートを切った。10番スタートの松山は、11番でバーディが先行すると、16番でも約3メートルのバーディパットを沈めて2アンダー。上位争いに名を連ねたが、後半は一変、スコアを落としてしまう。4番でボギーとしたが、続く5番では強気のパッティングでバーディを奪取。しかし、落とし穴は7番パー4だった。フェアウェイウッドで放ったティショットは左のラフにつかまり、結局3オン、3パットのダブルボギー。一気に貯金を吐き出す格好となった。それでもイーブンパーは首位と5打差。初日は一度しかフェアウェイを外していない。飛距離も300ヤードを超える。世界基準の松山の追い上げが明日から始まる。
「フェアウェイを1回しか外していないし、そういうショットができれば伸ばしていけると思います。明日以降、コンディションがどうなるかわかりませんが、とにかくフェアウェイをとらえていけばいいと思う」

■予選会を勝ち上がって出場の石川遼 3年ぶりの舞台はほろ苦いスタート

1バーディ、5ボギー、4オーバーの出だしは、石川遼にとって悔しい初日といえるだろう。前半でボギーが先行して2オーバー、後半も折り返し直後にボギーを喫するなど、終始苦しい展開は続き、結局4オーバー。予選通過を視野に入れる戦いになる。
「何が起こるかわからないのが全米オープンです。本当に我慢が大事。あきらめずに、逃げずにやればまだまだチャンスはあると思います」

■日本勢最年少の川村昌弘が楽しむ全米 藤田、薗田の巻き返しにも期待

21歳の川村昌弘が始めての海外メジャーで存在感を示した。というより、世界最高峰の舞台を純粋に楽しんでいる姿が印象的だ。コースは困難を極めるが、そこは世界を転戦してきた若武者らしく、「楽しかった」で片付ける。「インドのコースのほうが狭くて緊張しました」と、全米オープンの舞台を楽しむ余裕さえ見せた。イーブンパーは松山と並び、上位をうかがう位置。マキロイ、スピースら世界で活躍する20代のホープたちに並ぶ機会をグッと近づけた。一方、2年ぶりの出場となった藤田寛之は、12番パー4で2打目を直接カップインさせイーグルを奪うなど見せ場を作ったが、2オーバーのスタート。薗田峻輔は始めての舞台に苦しみ、8オーバーと予選通過に黄信号がともっている。明日の巻き返しに期待したい。

第115回全米オープンゴルフ選手権ハイライト>>
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